さて、時間は20:00少し前。すっかりと夜のとばりが降りたとはいえ時間的には宵の口。当然次の店を探して夜の街をそぞろ歩く夫婦の影が二つ。中州の街は、実に素敵暮れていきます。相変わらず、細い路地を見つけては突入する二人ですが、今回もなかなか心惹かれるお店を発見。お店の名前が「味噌汁 田」とは、もう。
細い路地にあるこのお店。その暖簾と提灯に惹き付けられるように引き戸をがらがら。おっと、外から見るよりも中は綺麗なカウンターのお店。しかも思ったよりも随分とゆったりと広くて実によろしい。どうやら階段を上って二階席もある様子。ではカウンターに腰掛けて。店名が味噌汁、だったのでご飯のお店かと思ったのですがそういう訳でもないようで。
まずはお酒を。冷酒でいただきます。ここで地酒がいただけるのが嬉しい。せっかくの旅ですから、地場の酒と肴は必須です。え?前の店が馬だった?ま、それはそれ。というところで付き出しが。冬瓜のスライスとミミガー。冬瓜は醤油を垂らして頂きます。あら美味しい。ちょっと醤油がざらりとしますが、ま、ちょいとつけてね。
さて、それでは何か頂きましょうか。あげまき貝。ほう、ではそれを塩焼きでお願いします。あげまき貝という名を聞いて、すっかり巻き貝だと思っていたのですが二枚貝。有明海でとれる地場の貝。これが至って濃厚な磯の味。いい、これは旨い。せっかくなので明太子もお願いします。
が、一腹に少し足りなかったので、サービスでいいですよ、と頂いてしまいました。この明太子、実に旨い。直線的でない丸い辛さが口の中でぷちぷちと弾ける感じ。あうあうあう。日本酒呑もうね。ああ、旨いわこれは。もうね、白いご飯も欲しくなる旨さ。でも今日の所は我慢しときますけどね。明日はしらねぇよ。
せっかく店名の味噌汁。ならば一ついただきましょうか。ナメコと豆腐の味噌汁。味噌汁界の王道。二人で一杯ずつ違う種類を、とか言っていたのに、二人揃ってこれがいい、と。ではこれは一つだけいただいて酒の肴を追加しましょうね。この味噌汁が実に旨い。さすがに看板メニュー。堪らないね。
味噌汁は十種類ほど。具材を選べるようになってます。うーん。これはしっかりと飲んだ後でも胃と心に優しいメニューですねぇ。と、と。そういえば酒の肴を忘れるところ。ではツブ貝をお願いします。これを刺身で酒をちびちび。てか、結構な量がありますね、このツブ貝の刺身。しかも旨いです。非常に素晴らしいじゃないですか。
もうすっかりと満足してしまいましたとも。考えてみりゃあ、馬のフルコースを喰ってきたばかり。こんな感じで今日の所はストップしておくのもいいかも知れませんね。ということで御馳走様でした。
馬肉で満足、味噌汁でほっこりと幸せ気分でホテルへと。中州からブラブラと歩いて町をふらふら。途中で飲みに行くのも良し、そのまま帰るのもよし。こういう贅沢はいいですね。金曜日の夜ですから、まだまだこれから繰り出す人たちとすれ違いながら、我ら夫婦は戦線を離脱するのです。
明日もきっちりと喰いまくる為の休息です。
体調を整えてから無茶をするのがオトナの遊びです。
今回のお店:味噌汁 田(でん)
福岡県福岡市博多区中洲4-1-19 人形小路
TEL.(092)291-3286