第二回・再び踏みしめる沖縄の大地〜前編〜

さて、一日の間をおいて再び沖縄の旅日記に突入です。前回が一月、今回は四月。三ヶ月の間を一日で取り戻す荒技。というか、本来は四月の沖縄の旅の方がメインなんです。調子に乗って前回分を書きすぎただけの大莫迦者。では第二回沖縄の旅のはじまり、はじまり。

いま、スカイマークの神戸・那覇便は凄く安いんですね。前割りとか使うと片道8,000円ほどだとか。だからといって遊びにだけいくんじゃないですよ。仕事ですからね仕事。ただ、月曜日に仕事だからといって土曜日から前乗りするだけですからね。という言い訳をしながら神戸空港から一路那覇へと向かいます。欲望という名のスカイマークは一直線。

一月に行った時にはあまり天候に恵まれなかったのですが、今回は常日頃の行いが良かったので晴れておりました。上空から青い海を見ながら心は沖縄料理に飛んでます。取り敢えずいつものようにホテルに荷物を放り込んでまずはお昼御飯を探しに行きましょう。ホテルに備え付けの情報誌をぺらぺらとチェックして。お、これよさそう。

向かったのは大変趣のある御食事処「高良食堂」はホテルから徒歩でしばらく北上したところに。何がいいかというと食券方式の定食。サクッと見てみるとあるわあるわメニューの数。その中でも一際目をひいたのが【肉おかず】でした。いや、肉おかずって。内容はまるで分からないのですが、その直線的で一途なネーミングにハートを射抜かれたのは仕方のないところ。

ちなみに牛肉おかずというメニューもあったのできっと豚肉なのでしょうということだけは想像に難くない。で、御料人様はというと【味噌汁】を。え？味噌汁だけ？と思うのですが、こちらでは全てのメニューに御飯と漬物と味噌汁が付くそうです。えーと、味噌汁にも味噌汁が？そんな訳はないですよね。というかもしそうだった面白すぎる。

取り急ぎ到着記念のオリオンビールで乾杯。しばらくしてやってきたのは御料人様の味噌汁。もうね凄いの。何が凄いってまず量が凄い。うどん丼になみなみと注がれた味噌汁。そして御飯と漬物。更なる味噌汁は付いてませんでした。当たり前ですね。あ、そうそう、こちらのお店では定食の御飯ですが、白飯とジューシーを選択出来るようになっています。

当然ですが我ら二人はジューシーの一択。味噌汁の中身ですが、豚肉・野菜・豆腐がしっかり入った具沢山。さらに卵も丸ごと入ってます。こりゃ凄いわ。ちょいと味見をさせて頂いたのですが、あっさりとした味噌仕立ての鍋のような感じ。味がとてもやさしいのです。これとジューシーの取り合わせは鬼に金棒、魚に水、ネロにパトラッシュという名コンビ。

しばらく待っていると私の方にもやって来ました肉おかず。豚肉と野菜の炒め物ですね。出汁がちょっと変わっているのですが、やはりこれも体に優しい旨さです。御飯にもいいですがオリオンビールにも良く合います。ちょっと練り辛子でもあれば完全な酒の肴ですね。こちらについてきた味噌汁は、御料人様の味噌汁とは違う赤味噌の普通の味噌汁でした。

ご機嫌でがつがつと頂いていたのですが、すぐ横の座敷では沖縄言葉のご老人が昼間っから酒盛り。いいなぁとは思いますが、まだ沖縄に着いたばかり。潰れるには早すぎますからこの辺りで自主規制を。どうも御馳走様でした。いやー満足満足。

この後はいつものように町中巡り。実はこの辺り、前回のうろつきルートからは外れていました。ここはきっちりとチェックせねば。ステーキショップやバーなど、夜にも使えそうなお店を脳味噌の食欲部門にメモしておきます。ということで一旦ホテルに戻って夕食の旅へと出かけるのです。ええ、こういう事は勢いが大切ですからね。

向かったのは焼肉店。そう、今回の旅をどうしてもアップしたかった理由はこのお店なのです。何気なくめくっていたタウン誌に載っていた豚ホルモンの店。ヤンバル島豚やアグーなど、沖縄豚好きには堪らない名称が。お店は地図とネットで調べたのに見つからない。と思ったら二階でした。ははは、そんな重要な事見落として一階の店に入りかけましたわ。

お店は「我那覇焼肉店」という牧場と精肉店が直営のお店。なので安いのです。豚ホルモンのほとんどが一人前298円とお手頃価格。しかも19:00まではオリオン麦職人という発泡酒が一杯100円。そりゃあ繁盛しますわ。取り敢えず四人テーブルに通されましたが、混んで来たらカウンターへお願いしますということでした。

まずは【付き出し】がソーセージ。この時点で思わず笑みが出る。徹底していますねぇ。では注文をしていきましょう。【シロコロほるもん】は豚の丸腸。ほう、これは珍しい。焼いていくと牛の丸腸と同じように中の脂がぐすぐすととろけてきます。牛に比べて腸の部分が早く縮むので早めに食べるのが吉。はふはふ。旨、これ旨いわ！

脂の具合は牛よりもさらっとあっさり。その分味の濃さを感じませんがあっさり風味で実に旨い。続いては【しろ】、牛でいうところのてっちゃん。神戸では城戸でもよくいただくメジャーなメニュー。柔らかく噛み切る時のむっちり感が堪らない。肉ばかりもなんなのでナムルも【サヤエンドウのナムル】はさすが南国の大ぶりなサヤエンドウ。

【ハツユッケ】は豚のハツでユッケ。これもポッサムチプやくにきや頂いた牛のハツユッケ同様旨いです。牛よりもちょっと堅めでブリッとしているので好みは別れるかもしれませんが。【かしら】も頂きましょう。がっつりとした歯応え。これ、これなんですわ。豚ホルモンの中でも特に食感がしっかりとしているのがかしらです。旨いなぁ。

【タン】は燻製などは神戸でも見かけますが生タンを焼いていくのは楽しい。北海道のジンギスカンで食べた羊のタンを思わせる味。やはり生は旨いです。ちなみに鉄板に油をひくために豚の背脂を二切れ頂いているのですが、きっと焼肉王子ならこれもしっかりと焼いて喰うんだろうな、などと夢想しておりました。さて、次を頂きましょう。

普段は滅多に食べることがないメニューを発見しました。これは喰わないわけにはいかないじゃあないですか。【豚ブレイン】を。そう、豚の脳味噌です。限定10食限りのメニュー。実は一番最初にお願いしていました。ただ、焼けるのに非常に時間がかかるのです。アルミホイルで包まれているのですが小さな空気穴から蒸気が出るまで待ってくれとのこと。

うん、開けるの早かったです。はやる気持ちを抑え切れませんでした。ちょっと生っぽいのでひっくり返して更にしばらく待って出来上がり。早速頂きましょう。ほう、まさに白子の食感。味も似ていますがもう少し獣っぽいですね。牛の脳味噌はBSE発生以来海外でも手に入らないので、この豚の脳味噌で気分的には満足出来ました。

最後にもう一品くらい頂きたいと【ちれ】をお願いしました。牛のチレでもあまり見かけないのに豚のチレなんてここを逃せばいつ喰える事やら。あまり焼きすぎない程度に頂いたのですが牛と似ているといえば似ています。もうすこし肉質がしっかりとしたイメージですね。いやー大満足。ちょうど入店から一時間ほど。この辺りで終わっておきましょう。

どうも御馳走様でした。ちなみに、なんでこのお店が気なったのかというと、系列店に「焼肉乃我那覇」というところがありまして。ね、このサイトのトップにあります「焼肉乃罠」ってのと偶然なんですが似てるんですよ、書体とかも。ついつい親近感がわいたのは当然といえば当然ですよね。次回、機会があればそちらのお店で牛メニューも喰ってみたいと思います。

前回、時間待ちで使ったハワイアンバー。この店が非常に気になっていたので今回も行ってみることにしました。この店から割りと近所なのでぷらぷらと歩きつつ。が、なんと本日貸切の札。がーーーん！ショック！結構楽しみにしていたというのに。焼肉の量を控えたのもここでハワイアンフードをがっつりと喰う予定だったからなのに。

ま、仕方ないですね。お昼に行った高良食堂の道すがらにあったバーに行ってみることにしましょう。ゆいレールに飛び乗って二駅ほど。今回もゆいレール乗り放題券を買ってますからね。しかも三日通しで。気軽に公共交通機関が使えるのが嬉しいです。そしてお店「AGEHA」へとやってきました。沖縄は基本的に宵っ張り。こんな時間（19:00過ぎ）ではあまり人はいませんね。

まぁ軽く頂きましょうと私はブラディマリー。御料人様はよく分からないカクテル。つか、聞いたんですが覚えていないのはいつもの仕様通りです。このブラディマリー、島唐辛子を漬け込んだお酒で作っているので実に辛いのです。見た目が赤いので辛さも倍増する気分。それでもあっさりと頂けるのがトマトジュースマジックでしょうか。

ちょっと摘みに【ピクルス】を頂きつつ、お店の方とお話ししてみると、地元の方ではなく横浜から移住されてきたとか。っすがに那覇はそういう方が多いみたいです。なるほどねー、私達は神戸からなんですよー。などと待ったりとした時間を過ごしていると、常連さん達が集う時間になった模様。では我々は次なる店へと向かうことにいたしましょう。

どうも御馳走様でした。再びゆいレールに揺られて三駅ほど。牧志駅をおりると今度も前回に伺った店「イーガービーバー」を目指します。ほら、まちがってオープニングパーティに紛れ込んでしまったカナディアンパブです。

こちらの方は無事に入ることが出来ました。またまたカナダのビールなんぞ頂きながら、焼肉店で手加減した分をここで頂くことにいたしましょうか。【スパイシーポテト】をお願いします。ほら、焼肉での辛い旨いを控えたので、ここでスパイスを補給しておかねば。ビールとスパイシーなポテト、取り合わせは最高です。

そして味の方も旨い。実に旨い。お店の方からかなり辛いですよ、と言われましたが、まぁ私達には何ということのない辛さ。もっと辛くても大丈夫。美味しいです。てな話をしながらさらにお代わりを頂いちゃいましょう。お、これお願いします。ダーティマティーニ。そして喰う方も追加しちゃいましょう。えーと何にしようかしら。

こちらのお店、案外フードメニューが豊富なんですよね。お、【バッファローウィングスブルーチーズディップ付】ってのをお願いします。やってきたのはこれまたスパイシーなチキン。えーと。うん、手掴みね。この際手が汚れるのは仕方なし。ガブリと食らいつくとジューシーアンドクリスピー。こりゃあ旨い。チーズのディップも野菜スティックに最高！

ご機嫌で食べていたら可愛い女性シェフがご挨拶に来てくれました。美味しいです！と最高の賛辞を送っているとマスターもこちらにいらっしゃいました。ええ、英語です。私仲間はずれ。でも頑張って聞き取れる単語をつなぎながら会話に参加…している気分に。明日は糸満に遊びに行くということだけは分かりました。いやー私達も行くんですよ。

いろいろと沖縄事情を教えて頂き、ほろ酔い気分になったところでそろそろお暇いたしましょう。どうも御馳走様でした。本日も実にご機嫌な那覇の一日を楽しませて頂きました。さぁ明日はバスと徒歩で一日歩き回りますよ。

きっとまた一日喰って呑んでで終わるんですけどね。
それも旅の醍醐味ですからね。