釧路にて’09〜第三日目〜肉を喰うのが我等の使命

三日目の朝がやってきました。前もって決めていた行事は全て前日に終了しています。そして外は雨模様。さてどうしたものでしょうか。ホテルのビュッフェをいただいたあと、御料人様は今夜の獲物をネットで検索なのです。

取り敢えずお昼はいただかねばなりません。前回、赤ちょうちん横丁と同じく、非常に気になっていたお店、ホテルのすぐ側にある食堂、ここへ行ってみることにしました。お店の名前は「炭火炉ばた 食事処 むらかみ」です。雑居ビルの二階という何とも素敵なロケーションです。どのくらい素敵かといえば、一階のほとんどと、二階のこの店以外の場所が空き室という素敵さ。

営業時間の方は前日からチェックしておりましたので大丈夫。9:00〜23:00という私の大好きな中休みのない通し営業。ということで昼前の11:00にお店へと行ってみました。いかにも素敵そうな階段を上りきった先にはどんな素敵空間が我々を待っているのでしょうか?という程のこともなく、普通のお店でした。

基本的には定食のお店。夜は一品メニューも有りますよ、という感じ。お母さん一人で切り回すお店には既に先客が。えーと、取り敢えずビールください。昼前ですけど関係なく。だってビールは酒じゃなくて飲料水でしょう。さてさて何をいただきましょうかね。「お客さん旅行の人?」と先客さんから声をかけられる。

はい神戸からです、インフルエンザが大変だねぇ、などと会話が弾む。あ、そうそう注文ですね。【牡蛎フライ】を単品でお願いします。今回、まだ牡蛎を喰ってませんでしたから。牡蛎好きの私ともあろうものが何という失態。やって来た牡蛎フライは超てんこ盛り。某肉王子風にいえば”牡蛎マウンテン”なのです。これは幸せ。

がっつりと頂く。綺麗に中まで火が入っていながらジューシー。こういう見事な揚がり具合の牡蛎フライはなかなかお目にかかれません。タルタルではなく普通の中濃ソースというところも泣かせます。がっつがつと頂きながら、釧路のお話をお店のお母さんと先客のお父さんから教えて頂くのです。なんとも素敵な時間。

えーと、ツブ貝もいっちゃいましょうか。【大ツブ貝刺身】お願いします。やっぱりツブ貝は美味しいからね。やってきたのはてんこ盛りのツブ貝。うん、確かにでかいわこれ。真ツブだそうでやっぱり一番大きい種類だそうです。そして肝まできっちりとデカイのです。この肝が旨いんだ。苦いのかな?とサザエのイメージで喰ってみたら全然そんなことはない。

身の部分は当然旨いのですが、この肝の旨さに感動です。今まで意識したこと無かったですが、これは旨い。先客さんとお店のお母さんに聞くところではこの肝に付いている黄色いミソが曲者らしいです。これをきちんと取らないと気持ち悪くなるそうです。素人が適当に喰うと大抵これのせいで宿酔のような症状になるとか。これはいいことを聞きました。

この後も楽しく過ごしていたのですがそろそろお昼時。お客さんがどんどんと入ってきたので我々はここで退散。どうも御馳走様でした。ここは朝飯にも使えるということで、次回釧路に来た際にも重宝しそうです。お母さんどうかお元気で。あまりタバコ吸いすぎないでくださいね。

さて、この後は特に用事もイベントも無かったのですが、ホテルのロビーで見かけた釧路の情報誌を探す旅に出てみましょうか。午後から雨の降る中、歩いての旅が始まりました。ちなみに夕飯場所は既に御料人様によって見つけられているので、開店時間までの時間潰しが本来の目的です。まるで湿原のようになった公園など通り過ぎて街中探索。

そしてその結果。釧路には美容室が多いということを発見しました。以上、報告を終わります。ええ、そのくらい特記すべき事は有りませんでした。探していた情報誌もなんとか手に入れましたので夕飯場所へと移動することにしましょうか。

今夜の夕飯は肉です。ほら、このサイト名「焼肉の罠」ですからね。やっぱり肉を喰わねば。北海道ですから北海道らしい焼肉、ということでジンギスカン。「成吉思汗 ラムチャン」へと。が、ネット情報では4:30開店のはずが5:00から。これだからインターネットというのは信用出来ません。あ、一番信用出来ないのはこのサイトでしたか。

仕方がないので某イオンで時間潰し。スーパーの鮮魚売場で釧路らしい魚を見つけては御料人様とはしゃぐというイベントこなしていよいよジンギスカンをいただくのです。五時丁度に訪店です。予定通り。まずはいつもの様にビールで乾杯。さて、どうしましょうか。メニューを見る。【特上ラム】【生ラム】【ラムタン】の三種類だけ。男前。

実際にはラムしゃぶというメニューもありましたがジンギスカンのメニューはこれポッキリ。美しい潔さ。ということで取り敢えず全て一皿ずつお願いします。お店のおかあさんが準備してくれるのをビール片手に見学。テーブルに埋まるように設置された七輪には炭火。鉄兜のような鉄板に油を引いて葱と玉葱を並べる。ほう。

この脂は?ラムの脂ですか、素晴らしい。「うちは全てラムを使っています」とのことです。うん、これは期待期待。タレは二種類、味噌ダレと醤油ダレ。これに好みで粗挽き唐辛子やニンニク、すり胡麻などを投入。当然ですが唐辛子大量投入、ニンニク大量投入の二段構え。やって来た肉を早速焼いていきましょうか。

まずはやはり生ラムから。いわゆる並肉なんでしょうね。肉自体が厚切り。自分が知っているジンギスカンっていうのは薄切り肉がタレに漬かっているものだったのでカルチャーショック。しかも塩胡椒すらしてありません。まさにラム肉!なのです。で、こいつを鉄板に貼り付けるように焼いていく。じゅわじゅわと焼けてきたところでひっくり返す。いつもの作業。

せっかくの生ラムなのでミディアム程度でいただきましょう。まずは醤油ダレ。ぱくり、う、うひょー!これは旨い。赤身肉の旨味がしっかりと、噛めば噛むほどに染み出すのです。じゃあ味噌ダレの方でも。おおーこれも旨い。味噌の濃厚な味付けが淡泊なイメージのラムにインパクトを与えてますわ。堪らんぜ!

ラム肉といえばクセがあるといわれますが、まるでそんなことはない。むしろ食べ放題の焼肉で出てくる牛肉や豚肉の方が冷凍臭を感じてしまうほど、このラム肉は澄み切った旨味です。というか、ラムの旨味自体を楽しめます。続いては特上ラム。こちらはややサシがある感じの肉。同じようにがんがんと焼いていきます。

ほう、これも旨い。肉自体が柔らかいです。が、我等夫婦の統一意見としましては、生ラムの方が好みである、ということ。ラムの旨さを感じるならば、しっかりとした歯応え、肉の旨味を総合して生ラム(並肉)ですね。そして忘れてはいけません、ラムタン。こちらも焼いていきましょう。お、これは塩胡椒がすでに施されているんですね。

な、なんじゃこりゃ、旨すぎじゃねぇか!食感は豚タンなのですがやや厚みがあるのでしょうか、実に優しい歯応え。これは堪らんぜ、レアレア、レアが旨い!これ、でも豚タンといわれて出されたら気が付かないだろうなぁ。本当によく似てます。豚よりもクセがないように感じます。ま、言われて比べての話ですが。取り敢えず生ラムとラムタンをお代わり!

さて実は別メニューも注文していました。【チャンジャ】と【ニンニク焼】。チャンジャは生ニンニクたっぷりで旨いです。焼ニンニクはホイルに胡麻油でじっくりと焼いていきます。が、待ちきれない私達。ラムの脂が鉄板の溝にたまっていたのでそこで揚げていく。これがまた滅法旨いのです。ラムの旨味をニンニクですくい上げるという妙技。

でまぁ、お代わり分も含めてあっという間に完食。なぜかジンギスカンなのに福司を呑んでましたけどね。今回の旅行で、福司をどれだけ呑んだことでしょう。地道に応援するのです。そしてラスト。醤油ダレに焙じ茶を入れて。え?何それ?あ、これを飲むのですか。へぇー。お、旨い、これ旨い!というか、あれが欲しい、麺、麺下さい!

ま、おかあさんに笑われましたけどね。でもこれを付け汁にチャンポン用の麺を喰えばきっと旨いだろうなぁ。いやーそれにしても満足。本当はもっと少なめにしておいてもう一軒食べに行こうかと思っていたんですけどね。すっかりとお代わりしちゃいましたわ。次回釧路に来ることがあれば、必ず再訪しようと心に刻んで帰るのです。どうも御馳走様でした。

嘘。帰りません。まだまだ宵の口じゃあないですか。17:00スタートですからゆっくりしたとはいえ未だ18:00少し過ぎたところです。相変わらずの早食いですわ。ということで夜の街を徘徊しようじゃないですか。実は今回のラムチャンは釧路駅の北側。繁華街があるのは南側。歩いて移動して小一時間ほど。ま、腹ごなしには丁度いいのです。

で、前日に気になっていた歓楽街へと様子を見に。おおー開店してますよ。これは素晴らしい。今回は見送りますが、機会があれば意を決してめくるめく歓楽の扉を開いてみたいものですね。そして更に街中をぶらぶら。ではそろそろ次のお店へ行きましょうか。

ま、昨日の「焼とり みかさ」へと戻ってきたわけですけどね。私達の場合、気に入ったお店へは間髪あけずに再訪する、ということになっています。昨年の「ひょうたん」も二夜連続で行きましたしね。この「みかさ」も当然連荘です。本日も先客がいらっしゃいます。ちょいと席を詰めて頂いてコンバンワ。またまた来ちゃいました。

ご主人から「今日はどのくらい食べてこられました?」と笑顔で質問頂き、ジンギスカンを軽く、と答えるこのやりとり。相変わらずどこに行っても我等夫婦の莫迦さが露呈することを自覚。本日も付き出しが三品。【鯨刺身、コゴミ煮、タラコとコンニャクの和え物】を。というか、突き出しで鯨が出てくるあたりになんとも豪快さを感じます。

この鯨がなまら旨い。ほんの少しの醤油だけで十分に旨味を引き出せるのですわ。もうね、この店が近所にあったらきっと通っちゃいますよ、そんな素敵なお店。おすすめメニューにあった紅葉焼三種ってのが欲しかったのですが、如何せん季節が違うのです。前夜のイオマンテとちがい、こちらは天然鹿だそうで、猟期に合わせてのメニューだそう。

では、【鯖寿司】を握ってください。冷蔵庫から出された鯖。綺麗な漬かり具合。というか半生ですね。芯の部分がうっすら赤味差してます。これをきゅきゅっと握って頂いて。一貫ごとの注文ですが二人して二貫づつ。いただきます。おぅ、こりゃ旨いわ。漬かりすぎたきずしのような鯖と違い、鯖そのものの甘味も感じさせるのです。

一貫でいいかなぁ?とおっしゃっていた御料人様でしたがぺろりと喰っちゃいました。残ったら貰おうかと思っていたのに、残念。「ふきのとう食べる?」はい、いただきます。【ふきのとうの天ぷら】。さすがに釧路の春は遅めなのですね。まだふきのとうがいただけるとは。ささっと天ぷらになったふきのとうには残春の香りがやさしく、ふわりと。

そしてやっぱりこの日も福司を燗で。昨夜と同じ【浅漬け】をいただきながら、お隣のおねぇさま方から釧路の旨いもの情報を仕入れたり。ふむふむ、では明日の昼はそこに行ってみます、とまぁ楽しい時間。最後に【油ガレイ】の煮付けをいただいて本日も御馳走様でした。一時間少々の楽しいひとときをありがとうございました。

いやぁ、楽しい。釧路は人情溢れる町ですねぇ。昨夜の新進気鋭のフレンチから元は屋台だったという焼き鳥(そういえば焼き鳥のメニューあったっけ?)の店まで。どこもかしこも楽しめています食のアミューズメントパークです。

「胃の拡張」という終日フリーパスが必要な町でもあります。
さすがに今夜も腹一杯楽しめました。

今回のお店:
食事処むらかみ
北海道釧路市黒金町14-9-1-2F
TEL.(0154)23-7721?

成吉思汗 ラムチャン
北海道釧路郡釧路町桂木2丁目5-1
TEL.()154039-3335

焼とり みかさ
北海道釧路市川上町4-1
TEL.(0154)31-0305

One comment to “釧路にて’09〜第三日目〜肉を喰うのが我等の使命”
  1. 立ち飲み焼肉に惹かれて「七輪炭火焼ホルモン 立ち呑み処 田」

    金曜日はいつものように原酒店にて夕刻よりちびちびと呑んでおりました。週末の楽しみといえばやはり美味しい酒を呑むことと決まっております。と、そこへ一本の電話…

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