釧路にて’09〜第二日目夜〜これぞ北海道丸飲み

そしていよいよ今回の旅行最大の山場を迎えることになります。そう、夕食です。今回はいつもと様子が違うお店チョイスです。ま、御料人様が見つけてくれたのですけどね。ここどう?とサイトを見せられて、即YES!YES!YES!と、大切なので三度頷きました。

そのお店とは「Restaurant & Community  Iomante (イオマンテ)」なのです。大抵の場合、我々が国内の旅行先で選ぶ店というのは和食系が多くなりがちなのです。寿司、蕎麦、炉端などなど。なのに今回はフレンチレストラン。しかしこれには理由があります。まず、なぜ和食系を選ぶのか。それは食材です。

基本的に旅行先では地産地消を心掛けていますから、地の魚・野菜などはやはり和食が多いのです。で、今回のお店。サイトを見れば一目瞭然なのですが、”?道東の旬の食材と北海道アイヌ料理をエッセンスに 心にも体にもやさしいフランス料理?”というコンセプトのお店なのです。そう、まさに「地」でとれる「旬」の食材。

しかも御料人様が予約時に「全てを釧路もしくは道東の食材で」というお願いまでしているのですから。これはもう期待しない方がおかしいというものです。ということで早速お店の方へ。ドアをくぐってすぐに螺旋階段で二階へ。窓際の席を用意頂きました。ゴールデンウィークまでは「くーちゃん」で賑わっていた釧路川を見下ろす特等席。

テーブルには小さな冊子。中にはこのお店のコンセプトやこだわり食材の説明など。まずは飲物。シードルで乾杯。このシードルも【増毛シードル】と北海道の地シードル。しばらくしたところでお料理が。スープから。【石井農園のトマトをつかった冷製スープ】です。これ塩などの調味料は一切使っていないそうなのですが、実に旨い。完熟トマトの甘味が実にスッキリとしています旨!

お代わり自由なパン。【りんどうの里の小麦「春よ恋」を使った自家製パン】だそうです。小麦粉の味までは分かりませんが、しっかりとした味のパン。そしてバターも当然北海道バター。バターも旨いのですが、パンそのものが旨いのでついつい摘んでしまう。この意地汚さが私の持ち味。大切にしたいですね、これからも。

そして続いては【釧路産そば粉、鶴居コッコロ玉子、白糠産チーズの「ガレット」達古武豚ローストポークをのせて】。長い名前ですが食材の産地が全部入ってます。分かりやすいです、私に。でガレット。もうね、旨い。蕎麦の香りも豚の脂も鶏卵の濃厚な旨味も、全部まとめて口の中に広がっていくのです。そしてチーズの塩味が上手い具合にアクセントになってます。これは旨い。

いやー、堪らんぜ!この辺りでシードルも終わったのでワインに移ります。当然の十勝ワインは【とかち野 白】を。スッキリとしたワイン。なぜ白かといえば次の料理が魚だから。実に分かりやすい単細胞。【釧路産トキシラズのコンフィ 厚岸産の大粒浅利のナージュをソースとして】というまたしても全食材説明入りの料理名。

これが大変手の込んでいる料理でして。パッと見には生のように見える時鮭。これが見事にレアに火が入っています。そしてアサリとホタテがソースなんですね。このソースが恐ろしく旨い。そりゃそうなんですけどね、ホタテとアサリの旨味が染み出てますから。ほろりと崩れてしまうほどの時鮭にこのソースをからめて喰えばホッペタがスライムの如く落っこちるのは仕方のない所だと思うんだ私は。

ちなみに残ったソースは全てパンで掬って頂きました。ぴかぴかのお皿にして返却。ここで口直し。【福司の日本酒を使ったシャーベット】。うん、酒。福司自体が旨いので後付けの味は無し。そのまんまでシャーベット。旨い。旨いです母さん。いや、母さんは関係ないけど。大人のシャーベットは格別な旨さですわ。グラスが空いたので【とかち野 赤】をいただきます。

そうです。ここからはメインディッシュ。シェフから「調子に乗ってのせすぎました。多すぎたら叱ってください」といわれた本日のメイン。また名前が長いですよ。【阿寒産エゾ鹿肉とフォアグラのパイ包み 茶路めん羊牧場のラムをタイム風味のロースト トリュフと”シケレベ”の赤ワインソース】です。マジ長いです。そして分かりやすいです。

そう、鹿です、鹿肉です。こちらはジビエではなく牧場の鹿。なので季節に関係なく良質な肉をいただけます。これが、パイ包みなのですが、実に、そう、旨いの。旨過ぎなの。フォアグラの脂が淡泊な鹿肉に更なる旨味をからめつつ濃厚な赤ワインソースで激旨へと進化しているのです。いやーこれは旨いわ。そしてラム肉はどこまでもソフトな赤肉。

もうね、かなりのダメージですわ旨すぎて。多すぎるといわれてましたが何の何の見事にぺろり。旨いモンなら残りはしませんぜダンナ。ちなみにシケレベというのはアイヌの人達が薬や香辛料として使っているキハダの実を乾燥させたものだそうです。これも丸ごと食っちゃいました。ソースの一部ですからね。つか、旨かったし。

ちなみに御料人様が赤ワインを注文しようとしたところ、とかち野は品切れだったそうで福司になりました。で、残っていた私の赤ワインと取り替え。うーん、日本酒にも合う料理です。というか日本酒万能説は本当かもしれないと実感。どんな料理でも引き立ててくれますね。デザートは【丹頂いちごのショートケーキ 白糠酪恵舎のチーズで作ったチーズケーキ パンナコッタ】の三種。

もう今更いうまでもないですが、大変美味しくいただきました。甘味は別腹。苺の旨さもチーズの濃厚な旨味も堪らなく旨かったとだけ付け加えておきます。最後にコーヒーをいただいて御馳走様でした。あ、コーヒーだけは多分北海道ではないかもしれません。訊くの忘れてしまいましたが。いやーそれにしても大満足。

やはり結構な量があったようで、終わってみればかなりの満腹感。このままどこかに呑みに行こうかとか思ってましたが無理かな。

はい無理じゃなかった。次行ってみよう。昨年、その前を通りがかったものの入ることの無かった「釧路赤ちょうちん横丁」へとやって来ました。もう喰えない、もう喰えないといいつつも、酒くらいなら呑めるんじゃないだろうかというこの貧乏くさい思考。恐らくここを見てくださっている貴兄におかれましてはご同意頂けるものと確信しています。

で、御料人様が選んだ一軒のお店。その名を「みかさ」といいます。このお店が何とも素敵なのです。8席ほどの小さな店内はまるで屋台のような雰囲気。我等の先客はお二人連れが一組だけ。いやいやなんとも居心地の良いお店じゃないですか。まずはビールで乾杯。さて、どうしましょうか。あ、突き出しがあるんですね。

三種盛りは【コゴミのボイル、鰯煮、筋子】ですか。う、筋子が旨い。思わず白いご飯が欲しくなるほどの旨さ。コゴミもマヨネーズでサラダっぽく。鰯をつつきながら、先客の手元を見て【生レバー】をお願いします。やっぱり欲しいじゃないですか人が喰っているのを見たら。この生レバーが結構旨い。ほう、意外意外。

あとで知ったのですが食肉センターが割と近くにあるので、新鮮なレバーが手にはいるようです。お店のご主人と色々と話していたのですが、このご主人が三代目だそうです。初代は某演歌歌手の御身内の方で本当に屋台だったそうです。それが昭和四十三年に現在の場所へ何軒かの屋台と共に集約されて横丁になったとか。

そしてご高齢ということで店を畳もうとしたところを二代目の方が引き継がれ、更に三年前現在のご主人が二代目の方の娘さんの紹介で引き継がれたとか。酔っぱらって聞いていたので多少の間違いはあるかもしれませんが大体そんな感じ。いやーそういえば年季の入った素敵なお店ですわ。かかっている曲も演歌ばっかりだし。

そんな話をしながらお酒を福司に切り替えて【浅漬け】をいただいて。「ちょっと変わったメニューがあるから食べてみて」といって出されたのが【ウズラ卵の串焼き】です。ほう、これは珍しいんでしょうか?え?殻ごと喰う?それは珍しいです確かに。話には聞いたことがありますが実際食べるのは初めて。ではいただきます。

おお、殻が気になるかと思いましたがそんなことはまるでなくカリッとした食感が何とも旨いじゃないですか。これは大発見。「それじゃあこれも食べてみて」と出されたのは【アイヌ葱のキムチ】。アイヌ葱とは行者ニンニクのこと。それをキムチに仕立ててます。うは、これは旨い。旨いけどニンニクの匂いが強すぎ。た、堪らん旨さだわ。

しかし、さすがにフレンチフルコース(しかも多め)に喰ったのでこれ以上は無理でした。ということでこの辺りで退散いたします。どうも御馳走様でした。きっとまた来ますね。楽しかったです、とご挨拶してホテルへと戻ります。いやー、しかし充実した一日でした。

内臓への負担も相当充実していますが。
呑んで喰って大車輪の活躍だったでしょう、胃と肝臓。

今回のお店:
Restaurant & Community Iomante (イオマンテ)
北海道釧路市末広町2-23
TEL.(0154)65-1802

焼とり みかさ
北海道釧路市川上町4-1
TEL.(0154)31-0305?

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