北陸で旨いものを考える 〜富山:後編〜

ようやく入ったお店です。しかも今回の希望通り、非常にいい雰囲気です。まぁ、私のいい雰囲気というのは微妙かも知れませんが、とにかく綺麗にしてある白木のカウンターと10席足らずのこぢんまり感。落ち着けそうです。
早速、今回の主題である「岩牡蠣」を。あ、ビールもお願いします、今日は暑くて喉が渇いたのです。
やって来たのは大振りの貝殻に乗った待望の岩牡蠣。いつもは写真に納めてから食べるのですが、今回は脳味噌からそんなことは吹っ飛んでいました。いきなりがっつく。無くなる。あー。えーと、もう一つお願いします。今度は写真を忘れずに。
牡蠣以外の造りは梅貝と赤イカを。あー綺麗なお造りですよ。こりゃ旨そうだ。特に梅貝の身はぷりぷりと堪らんです。うん、生きててよかったよ。さて、それでは魚を焼いて頂きましょう。煮魚もよいのですが、ここは姿を楽しみつつ焼き魚。キンキも有りますが是非とも「ノドグロ」を。
ご存じの通り、普段は肉ばっかり喰っている訳で、魚のことはよく知らないのです。ノドグロ、見た目はスマートなキンキという感じです。何でもこちらの方の名物だそうで。まぁ、今の流通なら東京大阪辺りなら問題なく食べられそうですが、きっとお値段がねー。っていう間に、目の前でオーブンに入れられ焼はじめです。うん、待ち遠しいさ。
でその間に鰯の造りなどで日本酒を。せっかくなので地元のお薦めのお酒を聞いてみると、これ、と出された冷酒。ほう、見たことのないお酒です。聞けばラベルのデザインはご主人が書かれたとか。頂きます。うんうん、原酒というだけあって度数は高め。
辛口と言われていたのですがそんなに辛くなく、実に日本酒の旨味がしっかりと味わえます。こりゃ旨い。富山の酒は富山の魚に実に合う。あーもう今日は酔っぱらっちゃうよ。後はよろしく。
などと言っていますと、ノドグロが焼き上がりました。うん、ノドグロだ。喉が真っ黒。そのまんまの名前ですね。冷める前に頂きます。おー、旨い。こりゃ旨い。淡泊なようでしっかりと味わいがある、これはいい!!よい!酒がすすむ。酔っぱらう。あー極楽。
これもどうぞ、と出されたのは大根おろし。ぺろっと舐めるとこれが辛い。辛味大根だそうで。一緒に鯛の昆布締めも頂いて、辛味大根おろしと一緒に頂きますと、得も言われぬ美味しさ。絶品。酒がすすむ。酔っぱらう。あー天国気分。
若い人向けにちょっと凝ってみましたという一品。酒盗にマヨネーズを少し和えてまろやかにし、蒸しアワビの上に乗っかってます。乗ってます、ってか蒸しアワビ。これは旨そうだ、と思うまもなく口の中へ。おっ、旨!なるほど酒盗の独特の生臭さが消えて、これは実に味わい深い。堪らん。酒がすすむ。酔っぱらう。あ”−−。
なんだかいつの間にか、お隣の席の余った酒までもらったり、ご主人がお酒を開けてくれたり、これこれと出されたのはトラフグの唐揚げだったり。もう一度ビールが欲しいよ、って言ってる尻からイカと唐辛子の炒め物。おーこれで日本酒呑んじゃうよ。あー旨い。辛い。酒がすすむ。酔っぱらう。な”−−−。
最後に獅子唐と茗荷の焼き物をつまみながら、ご主人から濁り酒呑ませて頂いていた辺りからすっかりと記憶がございません。もう、何というか、神戸の恥を富山で晒してきた模様です。非常に申し訳ございません。全く不徳の致すところでございます。
でもね、旨いんだ。魚が旨いのは当たり前、肴も旨いのは至極当然という、まるっきりの一見の観光客にここまでしていただいて。本当に御馳走様でした。お土産に辛味大根まで頂きまして。遠い記憶の彼方では、その大根を肌身離さず持ったまま酒をあおり続けていたようです。うん、もう死んでもいい。

ま、翌日は宿酔で死んでいましたが(予定通り)
マジで呑みすぎだって、いくら旨いからって…

今回のお店:日本料理「おら」
富山県富山市総曲輪

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