久しぶりに北の大地に立つ 〜本戦篇〜

いよいよ夏に向かって暑くなってきました。ええ、またまたひとり言アップ。何この頑張り屋さんは。自分で自分を思いっきり誉めておきましょう。いや、昔は毎日アップしてたんですけどね。

ということで札幌の旅二日目。朝飯をどうしましょうかと検討した結果、札幌駅前にある「佐藤水産」でおにぎりを買うことに決定。新しく出来た地下道を歩いて札幌駅まで。でその佐藤水産がどこにあるのか分からない。いつものように御料人様におんぶだっこなものでして。駅前の地図を見ながら何とか見つけました。やるね、俺。見つけたのは御料人様ですが。

imageいかにも美味しそうな筋子にしましょう、そうしましょう。【手まり筋子】を購入。一応お土産に良さそうなものを物色だけしておきました。帰りに買いましょうね。そして忘れたんですけどね、お土産買いに行くの。いつもの莫迦さ加減は健在です。でまぁブラブラと大通公園まで歩いて戻ってお昼ご飯。当たり前のようにサッポロビールが鎮座坐す。

imageまずはガブリと食らいつけば米が旨い。なにこれ、米が旨い。朝のおにぎりってなんて美味しいのでしょうか。ガツガツと食べて筋子。たっぷり。マジたっぷり。濃いめの味付けが堪らんです。ホッペタ落ちそうです。いや、むしろ落としました。ビールと筋子が実に相性がよろしい。間を取り持つ米にも感謝。一個が非常に大きかったので御料人様と二人で一つと相成りました。

そう、実は食い始めが遅かったのです。既に10:30を過ぎている。あまり食べ過ぎてはお昼ご飯が入らない。もうね、昔のようなむちゃ食いは出来ませんからね。何というか私の内臓もようやくオトナになったといいましょうか、一日六食とか頭の悪いことをしなくなりました。オトナになったというよりも老いぼれたと言った方が近いのでしょうか。

imageでまぁ一つのおにぎりを二人で食べるという一杯のかけそば常態な訳ですわ。例えが古すぎて平成の民には分かってもらえないかと思いますが。うん、ジジィですから。せっかく大通公園まで来ているのでお昼ご飯の店の開店時間を確認に。いやむしろ臨時休業がないかを確認に。最近、そういうあり得ない事態によくはまるもので。うん、大丈夫。もう開店してるし。

imageえ?もう営業してるの?あぁ11:30からでしたか。よしそれならもう店に入りましょう。ね?莫迦でしょう?ついさっきおにぎり喰ったばかりだというのにもう昼飯です。内臓はオトナになっても脳の方はオコチャマのまんま。脳改造が間に合わなかったショッカーの気持ちがよく分かります。莫迦は死んでも治らない。そんなこと考えつつもお店の中へ。

image既にお客さんいらっしゃいます。これはこれは。早速私達も。カウンターのど真ん中。大将の目の前、ネタケース前を陣取って。「ランチ(セット)ですか?」と問われれば、いいえ普通にいただきますと元気のよいお返事を。早速やって来るのは【塩水ウニ】です。海水ウニとも呼ばれるらしいですが、いわゆるミョウバンを使わずに塩水につけてあります。ひとくち、旨い。いやぁさすがに旨いなぁ。「食べ比べてみて下さいね」と【無添加ウニ】を続けて。

imageこちらはさらに旨い。もうね、雑味ゼロ。純粋なウニの味。ここまでウニの味って違うんですか。この無添加ウニ、お値段は聞いてませんが思わずお土産(自分用)に買いそうになっちゃいます。いや買わないですけどね、持って帰れないし。多分ホテルで喰っちゃうし。ちびちびと日本酒を呑んでいたら「これでもつまんで」とやって来たのは【ワタリガニの蟹味噌】。

image大将!無茶しますなぁ。北海道でワタリガニというのは珍しいそうです。早速いただくと濃厚な蟹味噌。そういば私、ワタリガニってあまり喰わないんですよ。ほら、食べにくいし。でもこの蟹味噌は旨い。あ、蟹味噌もほとんど喰わないんだった。そんな私が御料人様と奪い合うかの如く喰ってしまう旨さ、といえばどのくらい旨かったのか想像いただけますでしょうか。

imageこの季節、白身といえば【松川】ですね。関西でいうところのホシガレイだそうで。こつがまた淡白そうに見えて実に旨い。スダチと塩でいただけば口腔内に上品な香りが広がる。そこへ日本酒をちょいと入れるともう幸せの相乗効果。うう、旨すぎる。ぱくぱくと喰っちゃいますわ。あんまりにもどんどんと食べるので箸休めに【乾き物三種】を出していただくことに。

image海老の頭と中骨は分かりますけど、あ、これは海老の内子ですか。ほんのわずかな塩味だけで十分な旨味。で、さらにちょこんと盛ってある黒いのは何ですか?「これね、マグロの漬けの醤油を煮詰めたの」。ええ?なにそれ?確かに醤油と魚の旨味だわ。この店の漬けも実に旨いんですが、その醤油まで無駄にしないという贅沢。そう、これって贅沢以外の何ものでも無い。

imageいやホント旨いわ。「イクラいる?」ときかれて断る莫迦はおりません。「オースケのイクラだから小ぶりで白身にあたる部分が少ないから」と出てきたのはまさに海のルビー【オースケのイクラ】です。うわぁ、これ濃厚に旨い。味が強いから日本酒がガンガンと無くなっていく。こんな反則技のようなイクラ初めて喰ったわ。というか、これに合う酒は日本酒しかあり得ないね。

imageネタケースの真ん前にあって、ずっと気になっていた魚をお願いしました。【コハダの海苔巻き】なのですが、大葉と一緒に巻いてあります。実は大葉(紫蘇)はあまり好きではないのです。大抵の場合その強い香りと味に素材が負けるから。ですがこのコハダ、全く負けてません。つか大葉無しでは成り立たない料理ですねこれは。もうね海苔と大葉とコハダのハーモニーが堪らんわけですよ。

image「イカ食べる?」。いただきます。【剣先烏賊の造り】がまた旨いんだわ。山ワサビでちょいといただく幸せ。味が濃厚だから山ワサビが良いねぇ。で、ずっと気になっているものがもう一つ。先ほどの【松川のエンガワ】が。「塩と醤油どっちにしますか?」といわれても、優柔不断な私達には決めかねます。「じゃ両方ね」と半笑いでいただくのです。

image先ほどの刺身も旨かったですがエンガワはそれに加えて歯応えが気持ちいい。噛むほどに旨味が広がる幸せ。なるほど、塩と醤油どっちも旨いですなぁ。美味しい方で、とお願いしてもそりゃあ両方出てきます。仕方が無い。先ほどの蟹味噌がなくなった頃合いで次の蟹。【ワタリガニの内子】ですか。うひゃあ、濃厚な磯の味。アワビとは違う方向性の磯の香りが旨い。

imageいやいやもう堪らんですよ。ふと目についたので【あん肝】もいただきましょう。もう、目についたら何でも喰ってしまうダボハゼ状態。このあん肝がまた旨いのです。基本的にあん肝が美味しい季節に大量に作って冷凍しているとか。へぇだから一年中喰えるんですね。冷凍技術の向上は私に優しく暖かいのです。冷凍なのに。それにしても一気に喰い過ぎのような気がしてきました。

imageここで急に焼き物。寿司店で焼き物ってのも不思議な気がするのですが、出てきたのが【葱鮪】だったので納得です。脂がぎゅっと詰まったマグロと葱のコントラスト。マジ旨いです。こんな旨いネギマはなかなか食べる機会もありませんわ。いやぁ旨い旨い。で、実は今回、私達がお店に着いたときから大将がちまちまと下拵えをしているのです。むしろその合間に寿司を握っているかのように。

imageそれがなんと新子。新子を開いて酢で締めているのです。その体調は2cmほど。ピンセットと包丁で見事に捌いてらっしゃいます。まさに職人芸。で、当たり前ですが我ら莫迦夫婦はそれを喰いたくて喰いたくて仕方が無いわけですよ。ずーっと、狙っていたのです。それがようやく食べれることに。嬉しい。ということで【新子のにぎり】です。いやっほー!

imageこの新子、キロ五万ほどだそうで、物凄い高級魚なわけですよ。それよりもこの小さな魚を開く技術たるや物凄いですよ。で、握ってくれるわけですが一貫に付き新子が6枚。いわゆる六枚付け。「東京あたりで自慢したらいいよ、この時期に六枚付けって」と大将が笑いますがコッチは笑えない。えーと、いったいこれ一貫でおいくらなのでしょうか?でも一口でパクリ。

imageほほう、こりゃあ旨い。「そんなにうまいもんでもないんだけどね」と大将は仰いますがこの手の光り物は大好きなんですよね。新子の一枚一枚に旨味がありますねぇ。さて、そんな訳でこのまんま握りに突入しましょうか。先ほど美味しかったので【オースケのイクラ軍艦】で。軍艦になるとまた違った旨さがありますね。醤油なんて必要が無いのです、いくらが旨いから。

imageあ、そういえば注文忘れてました。【鯨三種盛り合わせ】を造りでいただかねば。百広、畝須、さえずりの三種。この店に来たらコレを喰わねば帰れませんよ。今回も実に旨い。特に畝須が堪りません。うふふ、たまらんねぇ。この勢いで次の握りは…【ブドウ海老】を握りで。これがまた見事な海老。釧路の和商市場でよく喰ってますがそれとは一味違います。

image尻尾は普通に握ってくれるのですが、頭の方も軍艦で。これまた堪らないぜ。握りはもとより軍艦のほうがもう、濃厚な海老の旨さ。最近では海老は頭の方が旨いんじゃないかと思うほど。いやいや、これはあり得ない旨さですわ。お代わりしようかな、しないけど。その代わり【無添加ウニの軍艦】をお願いします。うは、莫迦贅沢。ありえねぇ!

image先ほどそのまんまでいただいたときよりもシャリとあわせるとさらに甘味を感じます。こう、寿司ってのはいいですねぇ。一仕事入ると旨味が増すという感じが。ただ刺身を酢飯に乗せているのとは違うんですよねぇ。そうそうさっき鯨を食ったときに思い出したのですがあれを食わねば。【海のバター】を。こいつをですね、口の中に放り込むのですよ。

imageうひょう!とろけるぜ!なんて旨さだ!牡蠣は海のミルク、そして海のバターは鯨の本皮です。まさに脂の塊。これが旨いんだわ。もうね卒倒しそうになるほどに旨い。いやー肉が口の中で溶けるなんて表現がありますがあんなのとは根本的に違う。まさに口腔内の温度で脂が流れ出しますからね。この幸せ感はくったものじゃないと分からんですよ。

imageそろそろさすがに終了ということで【青海苔の味噌汁】を。これがとろとろ青海苔と暖かい味噌汁でホッとするのです。さて、いかにもこれで終わりですがやはり最後はあれで決めたいじゃないですか。泣く子も黙る【マグロの漬け】を握って貰いました。江戸前寿司の真骨頂だと私は思っております、ヅケ。「何時間かつけるだけじゃあヅケじゃない」と大将が仰るヅケです。

imageわはははは、旨い!旨い旨い旨い!しっかりとしたマグロの漬けは一貫ですめての寿司を陵駕しそうな勢いじゃないですか。コレを喰わねば寿司じゃない。いやー御馳走様でしたこの〆はまさに大満足なのでした。今回お店の入ったのが11:30。最後のヅケをいただいたのが13:30と二時間の長丁場な昼飯でした。もう今日はこれだけで終わりといわれても諦めるほどの満足度。

いやいやほんとうに満足しました。あまりにも満足だったのでそのまんま百貨店あたりをぶらついてホテルに帰ることに。そういえば御料人様は体調崩してたんだった。あまりにも普通に寿司喰っているから忘れてました。ということで御料人様はいったん戦線離脱。ということで前半終了です。

寿司だけでここまで長文になるとは思っていませんでした。
後半に続きます。

今回お店:
佐藤水産 本店
北海道札幌市中央区北4条西3丁目
TEL.(?011)200-3100

すし処 佐藤
北海道札幌市中央区大通西5丁目昭和ビルB1
TEL.(011)210-7233

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