北陸旅だより『金沢・庶民の味』

北陸の旅、その最初は金沢。昨日の更新でも書いておりましたが、サンダーバードにて一人移動。その後に(同居者様・改め)御料人様と合流。あ、新呼称決定しました。もうね、引っ張りすぎたので、「奥さん」とか「妻様」とかでは誤魔化しきれなかったので関西風に。読みは『ごりょんさん』で、よろしくお願いします。
で、雨がしとしと降っていますもので直接ホテルへ。うん、いきなり道に迷う。目印になるはずの工事中のしきりが無くなってた。そりゃあいつかは工事は終わるものね。見事に真逆へと。雨に打たれてようやく正しい場所で御料人様と再会。よかった。
さて。それではどうしましょうか。今回金沢は一泊限り。雨も降っているし、以前のお店で済ませましょうか、そうしましょう。美味しかったからね。ってんでお店の前まで辿り着いたのに。辿り着いたのに満席。ご予約の方限り。
こういう時に真価を発揮するのがマイワイフ。辺りをするすると見渡して一軒のお店へ。実はこのお店、前回の金沢の旅で気になっていた一店。早速入ってみましょうか。こんばんわ〜。と、カウンターが空いてます、ラッキー。
最近、旅先では出来るだけカウンター席に。普段は狭いところで喰う事を嫌いますが、北陸はカウンターで食べるのがベストと思うのです。色々とお話聞けますし。で、旨いモノが食べられるし。
早速お通し。鰤の真子煮付け。アッサリ。旨。コレは何とも旨い。取り敢えずビールなどという無粋はやめて日本酒。お薦めは?「手取川あらばしり」ですか。ほほう、イイお酒ですねぇ。最近日本酒離れてますから、旨い旨い。
やはり地のお酒で地の肴。これが最高。さて、ちびちびと呑みながら、あてをどうしたものでしょうか?ハワイで暴食のために太った体を調整しますよ、節制節制。じゃあ、金寺草酢を頂きましょう。
金沢名物金時草の酢の物。これに赤ズイキが添えてある。これ実に旨い。金時草のぬめりが実に体によさそうなのです。ほら、モズクやメカブなどぬめりのあるのって体にいいんでしょ?ねぇ?
ま、そんな事よりも金時草がそのまま旨い。酢の物にすると尚旨味が増すのです。ああぁ、コレ一品で酒一合だね、という悪魔の囁きが聞こえるほどの旨さ。が、本日は節制がテーマですよ、我慢我慢。
で、メニューから目が離せなかった品を。「秋刀魚のぬた」です。ぬた、ってだけでも酒がすすむってのに、秋刀魚が。秋刀魚が一緒にぬたってますよ。秋といえば秋刀魚。これから美味しい季節です。頂きます。
あふぅ。これ、至極。行き着く旨さ。わけぎと秋刀魚が…。この微かな甘みが堪らんのです。さ、酒、酒。秋刀魚のぬたを一口、酒を一口。これ、どうしよう。私が呑んでいるんじゃない、ぬたが呑ませているんだ。そんな感じ。
もうこの段階でめろめろですわ、私。久しぶりにホッペタとろけそうな日本のお料理。旨すぎ。ほら、ここは北陸金沢。魚喰わねばなりません。刺盛り。え〜と。鰤、車鯛、鰆、鰺、赤烏賊、甘海老。
ね?凄いでしょ?ってか、目尻が下がりっぱなし、ホッペタ落ちっぱなし、日本酒無くなりっぱなし。特に甘海老の子が。卵ちゃんが旨い、旨い、旨い。痛風になるなら仕方がない。節制?何それ?すみません、お酒お代わり!
魚はどこまでも新鮮で旨く、いい仕事してますねぇ…。ちなみに写真は最初に撮ったきり。食べるのと呑むのに忙しすぎなのです。ここで牡蠣フライの登場。牡蠣ですよ牡蠣。コレがなければ冬が始まらないという牡蠣ですよ。
ちなみに、夏は岩牡蠣がないと始まりません。常に季節をリードする牡蠣なのです。でまぁ、今年最初の牡蠣を頂きます。まずは何もつけずn…旨ーーー!何じゃこの旨さは。いやいやいや、こんな平然と出されても。
何だかね、さりげなく、無茶苦茶に旨いんですよ。思わず「旨!」って口に出たもの。これが気負いもなく、マヨネーズをむりむりっと添えられて出てくるんだから金沢全く侮れず。しかし旨い。あー旨い。
最初に囓った時には表面がじゅうじゅうと熱いのに芯の辺りがレア(きちんと火が通った生)なのです。これをはふはふと食べて、しばらく置いておくと衣の熱が取れながら芯まで火が通り、見事な揚がりっぷり。一品で二度美味しい牡蠣フライ。
ここまで計算されているのか偶然かはともかく、カウンターで食べているとこういう悦びがあるんですよね、あるんですね。ここでお酒を変えます。同じく手取川の大吟醸吉田蔵。このお酒も旨い。
スッキリとした濃い味の日本酒は牡蠣フライにも実に合う。旨い。精米歩合だの何だの読んでたんですが、まぁ、それよりも旨い、と一言で評するのが正解じゃないですか?そうです、そうに決まりました、旨い酒。
あんまり旨そうに喰ってたからか、ご主人に頂いたのは名物牛すじ煮込み。ちょっと味見てね?ってな具合でちょっとだけ…、いや、普通に一品ありますやん。で、旨そうですよ、喰いますよ。
一応、神戸も牛すじが名物だったりします。お好み焼の具に使ったり、コンニャクと煮込んだり。「くにきや」さんでも食べられますね。でも、こちらの牛すじは一味違う、というか当たり前か。作り方も違うんでしょう。アッサリ醤油味で旨い。これは酒のアテ、ご飯の友に最高じゃあないですか。
最後に焼き魚。太刀魚と…え〜と何だっけ?タラだったかな?ハタだったかな?まぁそんな風な旨い魚。それをわざわざ小さいところで盛り合わせに。焼き魚の盛り合わせってのも変な気がしますが、これがまたどっちも旨い。
もうなんだか分からないうちにすっかりと満腹ですよ。いや、本当は喰えますが節制節制。御料人様に叱られる前に終わっておきましょう。別に食べ過ぎても怒られませんが、何となくこの辺りで。
最後にお店の奥さんからシソジュースを一杯。これが甘くてさっぱりと美味しく頂きました。ああ、ご馳走様でした。このお店駅から近く、近くに大きなホテルが多いからか、観光客(私たち含め)も来るようですが、どちらかといえば地元密着の誠実なお店と感じます。
料理も安めの設定ですし、お店も決して広くない。なのにお客さんが譲り合いながら楽しく呑めるという、酒飲みには堪らない場所ですね。いや、さすがは御料人様。見事な目利きでお店を選んで頂きました。
ちなみに、ハワイ旅行でことごとくメニューに失敗した私でしたが、今回は全く問題なしの様子です。なので今回も旨いモノをたらふく食える事が決定しました。

あ、そういえば「節制で体調調節」がテーマの旅なのでした…。
しかし、ハワイに比べれば何と健康的な食事なのかと。癒されて帰れそうです。

今回のお店:庶民の味「のんきや」 
920-0853 石川県金沢市本町2-19-14
TEL.(076)221-0486

5 comments to “北陸旅だより『金沢・庶民の味』”
  1. はじめまして。
    ここのサイトは最近見つけたのですが、内容がとても充実していて楽しかったです。
    今回の、のんきやというお店は値段も良かったとのことですが、お酒や刺身の値段はお幾ら位だったのでしょうか?
    私は学生で今まで殆ど酒に興味が無かったのですが、最近おいしい日本酒と料理を出す近所の居酒屋に出会い、
    グルメにも興味が沸き始めたところです。
    ですが貧乏学生なので、興味があっても中々手が出ないし、
    相場も良く分からず、貧乏だからこそ微妙な店で切ない思いをせず、良いお店に出会いたいと切に思っています。
    なので何となく幾ら位かきいて参考にさせて頂きたいと思って・・・。

  2. >じゅんさん
    初めまして。
    「のんきや」は、二人で7,800円でした。
    刺盛りが1,200円、一品が400〜700円でしたから、普通に食べればそんなに高くないと思います。
    ちなみに、12日分の「おら」の方は二人で20,000円でした(笑)
    まぁ、あれだけのものをあれだけ食べれば当然です。
    酒も相当呑みましたから。
    是非頑張って美味しいお店を見つけてください。
    陰ながら応援させて頂きます。

  3. せっかくコメントして下さったのに返事が遅れてすみません。
    てつやさんのお返事参考になりました。
    旨い酒と魚を食いたい時には、それなりの覚悟(財布が軽くなる)が必要だということが分かりました(苦笑)。
    まあ多分自分は日本酒2合でフラフラになれるので、
    あまり酒代はかからないとは思いますが(笑)。
    普段は節約して、たまにいい物食べたいと思います。
    あとはこのサイトを参考にして美味しいお店を見つけるコツを研究したいですね。

  4. >あとはこのサイトを参考にして美味しいお店を見つけるコツを研究したいですね。
     この夫婦は、獣に近い嗅覚と運で店を探し当てますので、なかなか難しいかと・・・(笑)。

  5. >じゅんさん
    チェーン店よりはどうしても予算がかかりますね(笑)
    でも、値段よりもお店にどう馴染むかが大事な気がします。
    余り気負わずに美味しいものを食べさせて頂く、という気持ちで接すれば、大抵のお店で美味しいものが食べられると信じています(笑)
    試してみてください。
    特にカウンター席はお勧めです。
    お話を聞きながら、メニューにないものが食べれたりと(笑)
    >おがちゃん
    失敬な、獣とは!
    せめて飢えた野犬くらいで…余計ひどいか(笑)
    感は大切ですよね。
    いちげんで入るときは度胸一発です。
    はずれる覚悟は必要ですよね。

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