足りない調味料を考える

台風直撃という天気予報を見まして、これは大変と思っていたのに晴れていた日曜日。なんというか、肩すかしとかそういう意味ではなく、朝から洗濯が出来たので良しとしておきます。ええ、もう家事大好き。家で家事だけやって生きていければこれ幸いです。
すっかりと台風気分で引き籠もりを決め込んでいたので何もする気が起きません。とりあえず洗濯と簡単な掃除が終わってからは、何をするでもなくごろごろとしておりました。で、ふと「作り置きの総菜を作ってみようか」という気分になったのです。
このところ全くといっていいほどまともな自炊をしていませんでしたから、こんな機会を見逃す手はないのではないかという訳です。当然冷蔵庫には食材などありません。あるのは塩辛だとか塩昆布だとか。こんなものだけではどうしようも無いじゃないですか。
で、思い切って冷蔵庫の掃除から始めましょうか。すっかりと逝ってしまった酒粕(おそらく二年以上前のもの)や、なんだかラッキョみたいな謎のイタリア食材など、賞味期限を2年以上過ぎているものを片っ端から捨てていきます。そして巨大な固まりと化した霜をばきばきばきと取り除いて、ようやく冷蔵庫が片づきました。
ええ、すっかりと空っぽです。わずかに残っているのは塩辛位のものですか。何がすごいかと言えば、醤油やポン酢なども全滅なのです。多少の期限オーバーは気にしませんが、味が変わっているのではどうしようもありません。というかじゃりじゃりとした醤油は本当にいただけません。
で、引き続き流しの下部にあるソースやみりんなどもチェックしてみましょう。こうなったら徹底的に底をさらえるのです。さぁ矢でも鉄砲でももってこい。という気分で次々と引きずり出します。えーと、ソースが…おたふくが二本、バラが一本…賞味期限が98年…。二十世紀の遺物ですか。ってこの間まで使ってましたよ。で、みりんが2000年。おーミレニアムですな。
そんな調子で、変色した日本酒や気の抜けたバルサミコ酢、がびがびの紹興酒、パッケージを開けることなく賞味期限が三年過ぎたかぼす酢など。すっかりと、そしてありったけのものを捨ててしまいましたよ。見事なまでに。残ったのはごま油とオリーブオイルくらいのもの。もっともこのオリーブオイルすら風味はすっかりと落ちています。
さて、掃除は終わりました。といってもこれらの瓶や入れ物をそのまま捨てるには心が引けます。そこで中身を流しに流してしまうという暴挙にでました。もう、環境破壊もいいところです。地球に泣いて侘びながら次々と流れていく調味料。いや、さすがに油類は捨てていませんが。
それでも結構なえぐさと匂いです。特にオイスターソースあたりは、それでなくても粘度があるのにヘドロのようにどろどろ。スペクトルマンあたりが公害Gメンを連れてきそうな勢いです。もう換気扇は回しっぱなし、窓は全開で対処します。ここまできれいさっぱりと水に流す人生はむしろ男らしいと言っても過言ではないでしょう。
さて、一通りきれいになったところで購入すべき食材と調味料をリストアップしてみましょう。えーと、醤油・みりん・酢…。ん?全て流しきったはずなのにどこからともなく異臭が。異臭というか妙に酸っぱい?周りを見渡してもそれらしきものは無し。もしや…。ああ、やはり私の手でしたか。そりゃああれだけの逝ってしまった調味料と格闘したのですから…。
こんなものは洗えば大丈夫、そのためにハンドソープは常備されているのですから。で、一生懸命洗ったのですよ、流しで。まだ流し台ではオイスター君らしき、きつ〜いスメルに包まれていたりします。もうね、なんというか一気に料理熱が冷めてしまったのです。ああ、もったいない。私はなんて罪作りなんだろうと。こんな人間に料理を作る資格は無いのではないかと。

余りの匂いに食欲が無くなりました
やはり調味料は劣化する前に使い切りましょう

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