結婚記念日だったのです「懐石料理 東京田村」

すっかりと一週間ほど経ちましたが建国記念日は我ら夫婦の結婚記念日。毎年一緒に結婚式をあげたホテルにて食事をしております。まぁホテルから割引などの特典付きお祝いはがきが来るから、というのも一つの理由ですが。勿体ないモン。

今年もやってきました昨年まで行っていたお店「やわらぎ」が、「東京田村」へと変わりまして。これはもしや毎年楽しみにしていた天麩羅カウンターが無くなってしまったのでは?と、御料人様が連絡を入れてみたところ無事に営業は引き継がれたようです。これは嬉しい。というのも我々夫婦、二人揃ってカウンターでの天麩羅が大好きなのです。

先付けというよりも前菜ですね目の前で調理されている様を見るのが楽しくて仕方がない。糸桜ややまがた屋でもそうなのですが、見えるところでつぎつぎと完成されていく料理はそれだけで素晴らしいパフォーマンスなのです。ということで今年も天麩羅頂きます。まずは【先付け】から。あれ?以前はこういうのあったっけ?とか思いつつも。

天麩羅の準備ですこれがまた見目麗しくも美味しいのです。車海老のウニ焼とか芥子レンコンなど。アナゴの寿司やほうれん草のおひたしと、まぁ当然の和の前菜。特にアワビ入りの煮豆が旨かった。御料人様は瞬殺されていました。そうそう、懐石の芥子レンコンは芥子に卵黄を混ぜて丸い味に仕立てているとか。言われてみれば辛さ控えめ。

いわゆるネタ見せんで、いよいよ天麩羅になる訳です。ずらりとネタを見せて頂いて「お嫌いなものはございませんか?」と。いえいえ何でも美味しくいただきますよ。では。まずは【エビの足】から。定番です。車海老の足だけの素揚げ。これがあっさりさっぱり、これからの天麩羅への期待を盛り上げてくれます。あ、ちなみにビールでスタートしています。

日本酒三種です定番の【車海老】は二尾。ぶりっとした食感は海老の醍醐味。尻尾の先まで美味しくいただく。余りの旨さに日本酒へと移ります。ビールの消費が早すぎ。で日本酒。以前もそうでしたが、お店が変わってからも同じメニューがありました。【味わい三種飲み比べ】が。お薦めの冷酒を三種類、大きめの猪口でいただけます。

エビ足、車海老、あまご、キス今回のラインナップは【若戎】【大山】【一ノ蔵】の三種類。甘口、中口、辛口と並べて頂き味比べ。さすがにこうやって呑ませて頂ければ、私のような莫迦舌でも何となく味の違いも分かります。好みとしては若戎でしょうか。ほんのり甘口なのはきりっと冷やしているからでしょうか。本来はもっと甘いお酒のような感じですね。

サービスして頂いた刺盛りと、ここでお店の方から「店長からです」と小ぶりな【刺身盛り】を頂いてしまいました。ヨコワとイカ、鯛の上にイクラを少々。嬉しいことです。結婚記念日ということでのサービスだそうです。こういうちょっとした心配りはさすがホテルのサービスと感心してしまいます。で、この刺身が旨い。心遣いの分だけ愛情上乗せの旨さ。

もんごいか、アナゴ、ふきのとう、こごみと楽しんでいる間にも着々と天麩羅は進んでいます。【アマゴ】はエラを外して綺麗にヒレで自立。うわ、これは可愛らしい。きちんとした仕事の入った天麩羅。お味の方もちょっとしたはらわたの苦みが日本酒に合うのです、旨!堪らんぜ!同じく続く【鱚】も旨い!えーとここからはどんどんと揚げられていくのでどんどんと流していきます。

じゃこサラダ、旨!【紋甲烏賊】は肉厚で。【穴子】は一尾をそのまま揚げてから半分に箸で割っていただきます。この穴子もほっくりとして旨いのです。そしてこの季節の天麩羅ネタといえば【ふきのとう】に【コゴミ】。ほんのりとした苦みが春の生命力を蓄えています。この辺りを楽しめるようになると天麩羅の醍醐味を存分に味わえるというもの。

椎茸、たらのめ、茗荷、赤葱そして中休みに【ちりめんじゃこのサラダ】をいただいて。油が続く天麩羅なのでこういうアッサリとした一品はほっと箸休めが出来るというもの。野菜ものはまだまだ続きますよ。【椎茸】【タラの芽】は肉厚の椎茸のジューシーさとタラの芽の春の香りを楽しんで。いやーこれは旨いわ。そして【茗荷】が。へぇ茗荷の天麩羅ですか。

こんな感じで揚がっていきますこれが不思議な食感と独特の刺激が堪らない。なるほどこういう旨さもあるんだという発見。続いての【赤葱】の旨さ。葱独特の辛味とぬめり感が天麩羅ネタに実によく合います。そういえば葱って煮ても焼いても旨いんですよねぇ。そして【空豆】なのです。これ、今回一番ビックリ旨かった。想像以上にほっこりと甘味しっかり。

空豆、サツマイモ、蓮根、プチ玉葱ちなみにここまで塩やポン酢、出汁などでいただいているのですが、全て板前さんの指示通りに喰ってます。やはりお店の方のお薦めが一番の旨い喰い方と思ってますので。ええ、雄山とは違いますから。まだ続きます。【サツマイモ】は天麩羅の定番。天麩羅といわれて一番最初に思い浮かぶのがサツマイモというところが私のチャームポイント。

三重のお酒、若戎【れんこん】はしゃっくりとした食感が大切。以前、圧力鍋で芋の如く煮込んだ思い出が走馬燈のように甦りつつ、やはり職人の手にかかれば旨いもんなんだなぁと再確認。この辺りでお酒を追加投入。先ほどの三種飲み比べの結果、若戎をチョイス。あー飲み比べた甲斐があったというもんだ。飲み比べなくても呑むけどね。

芽キャベツ、白セロリ、アワビ、エビ【プチ玉葱】【芽キャベツ】を頂いたところで、「量の方はいかがでしょうか?」と職人さんから。えーと。今までに出てきていないネタでお薦めがあればお願いします。といういつもの莫迦が発動。こういうことを当たり前のように発言するから莫迦が止まらないのです。ええ、お陰様で美味しいものをいただけます。だからカウンター大好き。

私は天丼【白セロリ】。いや、聞き間違いでなければそう聞きました。セロリの芽でしょうか?カイワレみたいなものをくるりと結んで天麩羅。味は確かにセロリ。これは不思議な天麩羅。旨いです。「これは何か分かりますか?」と出されたもの。うーん。フグ?「アワビです」。うひゃーー。こりゃあいい!つかフグとアワビの区別もつかない自分にビックリした。

天丼には赤出汁が付きます最後に【車海老】で〆ていただいて天麩羅は終了です。いやー大満足。毎度思うのですが、量が少なく見えて結構多い、油分多めに見えてあっさり。天麩羅ってのは不思議です。どかっと盛り上げられるともっと抵抗があるのかも知れませんが、こうやってつぎつぎと食べていくといくらでも喰えそうな、それでいてきっちりコースで満足なのです。

天茶も旨い!さて。ご機嫌な天麩羅の後はお食事です。私は【天丼】をいただきます。目の前で揚げられた掻き揚げがご飯の上に。これに好みで出汁をかけて頂きます。うは、旨いわ。掻き揚げ最高だわ。赤出汁と香の物も一緒にいただいて。御料人様の【天茶】も少しいただきます。こちらは初めから薄目の出し汁で。おお、これもいいなぁ。

デザートで〆で最後の【デザート】を。メロン、いちご、アイスクリーム。アイスクリーム旨!最後に冷たい氷菓で終わるのが素敵。ということで御馳走様でした。やはりここの天麩羅カウンターは楽しいです。祝日の夜とはいえカウンターに我々一組だけというのが信じられないのです。こんなに楽しいのに。そして美味しいというのに。

ま、すげぇ贅沢ですけどね。
記念日ということでお目こぼしをお願いします。

今回のお店:
懐石料理 東京田村
兵庫県神戸市中央区港島中町6-10-1 ポートピアホテル南館4F
TEL.(078)-303-5206

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