贅沢な鮭宴会「日本料理 しげ松」

先日、年に二回の「北海道直送鮭祭」が昨夜行われました。例年ですと鳥頭の人に鮭を丸投げして捌いて頂き、それを数名で味わうという企画なのですが、今回は残念ながら肝心の鳥頭の人と予定が合いませんでした。


白木のカウンターでということで悪魔の選択。”結構良い鮭なんだから、せっかくだから日本料理のお店に持ち込んじゃえばいいんじゃね?”という事になりました。当然ですが、言い出しっぺは御料人様。一度やってみたかったそうです。そして今回の主役である鮭は「鮭児」という贅沢。そりゃあ良い鮭ですわ。お店の方は『日本料理 しげ松』にお願いすることになりました。

先付け:蟹の酢の物まぁね。鮭児ってだけでも相当に贅沢なのですが、それを和食の名店に持ち込んでコースにして頂くというのは非常識甚だしい。こういう非常識は大好きです。で、今回は身内だけでということで御料人様のお知り合いばかりで行くことになりました。さすがにいいお値段しますからね。ということで早速いただくことに相成りました。

八寸:鴨のロースト、からすみ、銀杏、ほうれん草おひたしなどさすがにこういう無理をお願いしたお陰なのか、カウンター席にはご主人がついて下さいました。いつもお世話になっている料理長さんではなく。そういえば、岡山一人旅に行った時にも、お店の情報をわざわざ送ってくださるなど、料理長さんにはお世話になっているのでした。うーん。どうもこのお店には良くして頂いております。

椀物:牡蠣のしんじょということで、いよいよ料理のスタート。ビールで乾杯の後、先付けは【蟹の酢の物】から。ほうこれはこれは。何とも美味しいじゃあないですか。そういえば、お昼にもタコ酢喰ったんだった。今日は酢の物ディですね。スダチを搾って頂く。キュウリの包丁も美しく、幸先の良いスタート。続いての料理が運ばれてきます。

向付:フグポン酢八寸(と呼んで良いのかな?)【鴨のロースト、からすみ、ぎんなん、ほうれん草おひたし】などなど。飾り付けがいかにも秋を感じさせるイチョウと紅葉。南京とサツマイモもほくりと旨く、堪りませんわ。あまりの美しさにじっくりと鑑賞しながら喰ってたのですが、よく見たら周りの人達すでに食い終わってるの。

造りの盛り合わせ。イカ・ヨコワ・鮭児!なに?なんでそんなに早食いなの?勿体ないじゃん。私も決して食べるのが遅い方ではないですが、この方々の喰いっぷりはただ事じゃないです。ええ、御料人様も含めまして。で、負けないように私も一生懸命に喰います。続いての椀物は【牡蠣のしんじょ】と、私の為にあるようなメニュー。いやっほーーー!

鮭児の造りを追加!これがまた上品なお味。繊細なしんじょは口の中で一気に牡蠣の旨味を放出するのです。この季節、食材として牡蠣は外せませんね!そして向付第一弾【河豚のポン酢和え】が。フ、フグ!旨いよフグ!ピリッと一味大根おろしでフグをポン酢で頂けば、この上なき幸せ。旨いよー。堪らんよー。そして相変わらずみんな喰うの早い。

鉢魚:鮭児第二弾は【刺身盛り】。ここでようやくやって来ました鮭児君が。美しい、見事な鮭児の造り。その見目麗しさに心奪われつつ、
取り敢えずぱくりと。えーとね。とろける。舌の上でとろける。鮭児って本当に身がとろけるように柔らかいんですよね。恐ろしく甘美な舌触り。そして甘い。脂の甘さなのでしょうが、さらりと上品この上なし!

油物:海老芋と獅子唐の天ぷらイカとヨコワも一緒に盛られてましたが、やはり今回の主役は明らかに鮭児ですね。あっという間に完食。「食べるのが早いから追いつかない」とご主人に呆れられながら、なぜか第三弾。というか、鮭児の造りが追加。まぁこの勢いなら仕方ないですね。こちらもあっという間に無くなりますがね。さて、では続いてのお皿は。

鍋物:鮭児寄せ鍋鉢魚は【焼き鮭】なのです。鮭児の。はははは。世界一贅沢な焼き鮭と言っても過言ではない。そんな鮭。「よろしかったら醤油を少しつけてくださいね」と言われましたがそのまんまの塩梅がすばらしい。やはり塩ですね。肉だろうが魚だろうが塩。これのさじ加減で全てが決まる。実感しましたわ、本当に。

鮭児がゴロゴロ油物【海老芋と獅子唐の天ぷら】はほとんど箸休め状態。ねっとりと旨い海老芋ですが、先ほどの焼き鮭の勢いに圧されてさらっと終わっちゃいました。旨いんですがインパクト負け。そして鍋物へと。【鮭児鍋】という贅沢。いやー、まぁやっぱりフルコースですからね。生、焼、とくれば鍋ですよね。で、これがまた凄い。

食事:炊き込みご飯まず、鮭児の量。先ほどの造りと同じくらい入ってますがな。旨いのは当然なのですが、その処理の仕方が凄い。皮付きの切り身。見た目鱗ごとなのかと思いました、が、違います。包丁で鱗だけを削いでいるのですね。だから皮目に傷がない。包丁の背や鱗取りでばりばりと落としているのではないから。

赤出汁、香の物も絶品旨味たっぷりの鍋。ちなみにこの間に日本酒はがんがんと頂いております。もうどのくらい呑んだか分からないくらいに。あまりにもご機嫌だった訳ですが、料理の方もラスト。ご飯ものは【炊き込みご飯】で〆に。まさか鮭児の炊き込みご飯?と思ったのですが、さすがにそこまでは。鮭児ってのはわりと小ぶりなものでそこまでの量はなかったそうです。

水菓子:フルーツ盛り合わせ最後に【フルーツ盛り合わせ】をいただいて御馳走様でした。本当に大満足の一夜となりました。例年の鳥頭の人による豪快な捌きと料理も素敵なのですが、本気で贅沢をするのも実に幸せです。まぁそうそうできる宴会ではありませんので、次回があるとも思えませんが。何にせよ、釧路のお母さんには感謝以外に言葉がありません。

何より、こんな恐ろしい宴会を仕切れる御料人様に驚愕なのですが。
仕入れからお店の手配交渉まで完全におんぶにだっこでした。

今回のお店: 日本料理 しげ松
兵庫県神戸市中央区中山手通1-26-1バッカスビル3階
TEL.(078)272-0055

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