旅の空から〜博多流浪篇〜ver.7「もつ料理 蒼生弥 (たみや)」

もう本当の最後の一食となりました。日曜日の夕飯。もはや本日中に帰るにはこれしか喰えないという崖っぷち。つーか、まぁ、普通に最終日の晩飯ですね。で、博多といえばこれ、もつ鍋でしょう。一時期大ブームを巻き起こし、全国各地に雨後の竹の子の様に乱立したもつ鍋。それを本場で喰わないのは莫迦の所業じゃないですか。
お店外観。暖簾も出てない…なので行って参りました。それも唐人町という、一度訪れながら甘味しか喰っていない場所へ。ここのお店に決定したのも御料人様。今回もおんぶにだっこ。最近は何一つ決定権を持たないというヘタレぶりをまき散らす私です。いや、調べるのが面倒だっただけですけどね。体よく御料人様にお任せしてしまうのです。
メニューを大公開!さて。お店の名前は「蒼生弥」です。って読めませんがな。「たみや」と読むそうです。なぜここを選んだのか。そう、御料人様から聞かれたのです。「雑誌やネットで有名な店がいいか、定休日が月・木曜日という店がいいか?」と。あのね。普通に考えて、週休二日の飲食店なんてあり得ないじゃないですか。
酢モツ美味しい!つまり、それでも営業できるほど魅力のある店でしょ?ではそちらでお願いします。という事で決まったのです。この選択は正解でした。後述させて頂きますが実に、実に素晴らしく個性豊か、というか濃いお店でした。もうね、「濃い」は「恋」でも構いません。その素晴らしさに脱帽なのです。
モツ鍋、始まりましたで、お店。17:30時開店、既に時間なのに暖簾が出ていない。あれ?休み?と思いつつも扉を開けると「いらっしゃいませー、どうぞー」と元気よく。あ、大丈夫なのですね。ではでは。奥のテーブルを陣取って。早速やって来たのはお店のご主人。「ビールは呑む?」は?「ビール呑むの?」あ、呑みます。
真ん中は押さえずに。煮立ったら周りからモツをかき出すように「じゃあセットにしておき、全部入ってて間違いないから」あ、そうですか。「大丈夫、最後まで面倒見るからね」とにっこり。ではよろしくお願いします。もうね、いきなり圧倒されます。「足りないからモツを追加ね」あ、はい。全て仕切って頂きます。つーか、注文する隙がない。まぁいいや。
いやっほーーー!しっかりとデカイ中ジョッキで乾杯。酢モツでちびちび。あ、この酢モツは旨いわ!あっさりとしながらもしっかりとした味付け。これが喰いたかったのよ、と言わしめる酢モツ。旨!でまぁ摘んでいますってぇと鍋の用意が着々と。「上から押さえずに周りから」とか「煮えてきたらかき混ぜずに下からモツを引き出すように」「豆腐は出汁が跳ねないようにこうやって入れて」など全てに説明入り。
ちょ、ニンニク入れすぎそんな訳で、全く手出しすることなく鍋完成。これが噂のモツ鍋ですか!では頂きましょう、頂きます。旨!何これ?旨!ビックリした旨!ガツガツ食える。あのね、この店に来るまでは、この二日ほどで莫迦ほど喰ってるしそんなに沢山いらないよね?などと御料人様と話していたのですが、もう、二人とも箸が止まらない。旨!博多旨!
生のチャンポン投入煮詰まらないように、とか言われてたような気がするけれども、瞬殺。鍋はあっという間に空っぽ。旨すぎ。これは丸ごともう一度お代わりしたいほどの旨さ。ああ、これが流行るのは分かるわ。安くて旨くてクセになるね。で続いてはチャンポンの投入。「よそは茹で麺だけどウチのは生だからね」と放り込まれた麺。全く手出し無用に。
煮上がる麺。これ最高に旨いッスしばらく様子を見ていると、鍋が噴きこぼれそうなくらいに泡立ってきて、あ、これは火をゆるめなければ、と手を伸ばすと「あ、このままで大丈夫です」え?ホントに?ええ、本当でした。ぐわーーーっと泡立って、そのままスッとひいていく。あれ?何で?不思議ー!もう出来上がりだそうなのでいただきます。
雑炊用のご飯がセッティングぐわーーーー!旨いわこれ。ラーメンが苦手なので、この手の麺はほとんど喰わないのですが、これ細いうどんだね。もうね、旨すぎ。具材は何もないけど、さっきまでのモツとニラとキャベツの旨味で麺が転げ回りそうになるほど旨い。こりゃ堪らんわ、あっという間に完食。旨すぎ。ここで件のご主人登場。
ご飯投入!「おじや作るから」とご飯投入。でご飯の量にあわせて出汁をすくいだしていきます。ほう、こうやって汁の調整するんですか。すげぇなぁ。いつも鍋で雑炊を作る時は適当に放り込んでますからねぇ。で最後に卵を廻しかけて完成。ちなみに、全ての行程において詳細な説明が入ります。もうね、「モツ鍋学校の授業」という風情で。
卵を溶き入れ…で、この雑炊がもう死ぬほど旨い。旨い以外の表現方法を博多に忘れてきたんじゃねぇの?ってくらい旨い。手が止まらない。普段はご飯ものにほとんど手を出さない御料人様が、がんがんと喰っておられます。そのくらい旨い。全ての旨味を凝縮し尽くした究極ご飯。その余計だった出汁をタッパに入れて欲しいくらい。持って帰って雑炊作るよ、という気分。
旨い!旨すぎるぜ雑炊!最高でした。そうか、これが本当のモツ鍋なのかと大満足。ちなみに、私たちはいつものように小一時間で喰い終わった訳ですが、その間にお店は予約含めて満席。かかってくる電話にご主人が断りまくり。つーか、そのやりとりが面白すぎ。「うちは18:30までしか予約受け付けません」「席を空けてて他のお客さんが来たら困るでしょ?」「来る前に電話してね、忘れてるかも知れないから」いやそれ予約じゃないし。普通なら相手怒るよ。でもそれが許されてしまう素敵なご主人なのです。
すっかりと腹だけでなく心まで満たされて御馳走様でした。最後の最後に最高のモツ鍋をありがとうございました。すっかりと博多という街が大好きになってしまいましたとも。やはり、人との出会いが旅の醍醐味ですよね。そして、こういう素敵なお店を見つけてくれる御料人様のお陰ですね。また必ずこの地へと来る事を心から誓うのでした。

すっかりと水炊きを食べ損ねてしまったからですが、何か?
まだまだ行きたい店もいっぱいあります。

今回のお店:もつ料理 蒼生弥 (たみや)
福岡県福岡市中央区唐人町3-2-1
TEL.(092)712-4224

4 comments to “旅の空から〜博多流浪篇〜ver.7「もつ料理 蒼生弥 (たみや)」”
  1. セットにビールが入っているところが、九州らしいですね。
    そういえば、板宿にモツ鍋の店ができました。(まだ開店2ヶ月)
    そのうちに、行かなければ!

  2. >おがちゃん
    そうなんです。
    今回の注文は「セット×2、モツ×1」だけということです。
    ご飯はサービスみたいでした(笑)
    板宿の店は行かねばなりません。
    こっそりと詳細を教えてください!!

  3. 大阪のディープな地域、動物園前の「たつや」のモツ鍋のようですね。
    安い、うまい、いつもいっぱい。
    18時30分に「終わり」の看板が出ていたことも。
    当然予約なんてできないし、1人の客優先で入っていくし。(効率よく廻していて、暗黙のルールのようでした。)
    だから、2人とか3人とかでタイミングをはずすと、ずっと待っていることも。
    まあ、12時から開いているので、ビール抜きで昼飯という手もあるんですが。
    ぜひ、行ってみて下さい。

  4. >おっちゃんさん
    一人客優先というのはまるで立ち飲みのようでいいですね(笑)
    是非昼酒に行ってみます!
    休憩無しなら2時くらいから夜まで…えへへ

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