東京下町紀行〜両国の巻〜

すっかりとご無沙汰のひとり言。週末三連休に東京に行っておりました。大抵、ネット環境のあるホテルに滞在するのですが、今回はそれがなかったためにサイトは放置。お陰でBBSでのお返事やら、リンク依頼のほうものびのびです。すみません、仕事も忙しいモノで…。

ということで、東京紀行など。出発は土曜日。七日。一月の七日といえば七草粥。こういう古来からの行事は大切にするのが日本の民。二人暮らしでまともに七草でお粥など作っては莫大な量が出来ますのでレトルトパック。化学万歳!しかし、この七草粥が今回の惨劇の引き金だとは、その時の私たちには分かるはずもありませんでした。

さて、遠足は家を出た瞬間から始まります。ということで、新幹線でお昼ご飯は穴子弁当。これってヒモを引っ張ると温かくなる化学の力だよね。うんうん、熱い熱い。でもそのギミックのお陰で底上げされて量は少なめ。

まぁ、それは最初から分かっていたのですが、二人で一個の弁当を分け合うという、一杯の○○蕎麦な訳で。本当の理由は東京に着いたら速攻で何か旨いもの食べようという浅ましい夫婦の姿。

しかし、この日は東海地方で雪。雪。雪。新幹線も遅れるってものです。もっとも、遅れたといっても10分にも満たない時間なのですが、私たちにとってはこの10分弱が実にもどかしい。

何といっても「昼食」を弁当半分づつという慎ましやかな夫婦です。もうね、あれ。空腹が一気に加速しちゃうのね。腹が減った、腹が減ったと。ブツブツと呟きながら、(二度目の)昼ご飯は少なくしよう、という当初の考えは忘却の彼方。

取り敢えず、ホテルに荷物を放り込んだら、ホテル前のトンカツ店へ。前回の東京旅行でも行った「かつ万」さんへ。本来は量を少なく、という趣旨だったのですが、もはや空腹絶頂の二人には”横綱ロースカツ定食”しか目に入らず。

横綱、相変わらず素晴らしい大きさ。もっとも以前の「萬清」さんでの凶悪な大きさよりはこぢんまりしてますが。それでもかなりのボリューム。そして旨い!旨い!東京のトンカツ万歳、万歳、万歳。と三唱。

さすがにこれを二つ頼んでしまってはただ事ではないということで、御料人様のほうは牡蛎フライを。いや、どちらにしても二人でシェアするので、どちらがどちらということは無いのが基本姿勢。

私、無類の牡蛎好き。牡蛎フライも大好き。旨い旨い。ただ、惜しむらくは過去喰った牡蠣フライで最高!とまではいかないところ。うん、本当に普通に美味しい。それよりも、トンカツの端っこの取り合い戦争が勃発しかけましたが、端が二つあったことで無事穏便にすませることが出来ました。更に帰り際にお店のカレンダーなどいただいて、すっかりとご満悦な莫迦夫婦。

で、さすがに結構な喰いすぎですから、カロリー消費が必要です。何せ朝食が9:00、駅弁が12:00、遅い昼食が15:00と三時間おきに、乳児の授乳並みに喰っている訳ですから。両国の町を散策しながら次の店を探します。

見つけたのは、雰囲気の良さそうな蕎麦店。日も暮れたので食べに入りましょう。時間は18:00前。え〜と、やはり三時間おきですか。まぁ、蕎麦ならいいでしょう。ちょいとたぐりましょうかいな。

本当は”鴨せいろ”が欲しかったところですが、残念ながら鴨南蛮しかメニューになかったので諦めて、普通にせいろを。御料人様は寒さのためか、温かい蕎麦。葱と大根おろしのメニュー。

十割の蕎麦は香りもあり美味しいです。熱燗にも実に合います。旨い旨い。更に蕎麦湯は濃いどろどろの今流行のタイプ。これもなかなか。ただ、今時っぽすぎるお店の雰囲気に負けて、早々に退散。味の方は…美味しかったですよ、ええ。

さて、すっかりと日も暮れまして。それでも18:30をまわったところ。このまま帰ってもいいのですが、ホテルでテレビでも見ながら過ごすのも勿体ない。そこで、御料人様が以前旨かったという鰻を。

基本的に、私たちの地元・神戸よりも明らかに旨いと思う「トンカツ」「蕎麦」「鰻」は初日でおさえるという、この盤石な体制。そして鰻ならゆっくり呑めるという計算高さ。最後は鰻だろ鰻。という訳なのです。

注文の方は温燗とうざく。そして白焼き。このお店は、板東太郎を使っているということで、実にお楽しみ。まずは小鉢がやってきました。アン肝と南蛮漬け。これがまた酒に合う。合わないわけがない。てなわけで呑みます、じっくりと。

うざくも程なくやってきて。これも旨い。まぁ、焼き置きの鰻なので、脂はすっかり落ちていますが、酢とキュウリとの相性は抜群。日本酒にはこれしかないという風情。つまり、温燗でお代わりをお願いします。

そして白焼きの出番。重箱に入った白焼き。蓋を開けた瞬間に立ち上る鰻の香り。うは。旨そう。そして、旨い。ほっこりと、ワサビで食べる白焼きの、この旨さ。もうね、堪らんですよ。これで酒を飲まないのは莫迦の骨頂。

そんなわけで、いよいよ冷酒へと突入。やはり魔都TOKIO。この鰻の旨さはある意味地獄への一歩ですね。だってさ、酒が止まらないもの。いつの間にやら四合瓶で冷酒呑んでますよ。うは、しかも揮発するかの勢いで酒が、無くなってる。

鰻ってのは焼くのに時間がかかります。いい加減呑み続けてまして。そろそろ鰻重で〆ましょう。すみません。え〜と。特上をお願いします。あ、ご飯は少なめで。

えっと。鰻重。これ、旨い。蓋を開けた瞬間に分かります。これ、絶対に旨い。そして喰ったら想像以上に旨かった。最強。鰻って素晴らしい。

実は、骨の処理のせいなのかも知れませんが、歯茎にざっくりと刺さったんですよ、骨が。でもね、それでも止まらない。旨いから。ご飯を少なめにしたお陰で、タレの鰻の旨味を堪能できるのです。旨い。

いやぁ、東京初日に、トンカツ・蕎麦・鰻の三種の神器をクリアしました。取り急ぎ、今回の喰うべきものは喰いました。ってか、一日五食ですが。そう、今回の敗因(食い過ぎ)はアレが原因です。

七草粥は食欲を増進させすぎます。
胃を休めるというのは、違った意味で食欲を異常増進させます…。

今回のお店:

ひれかつ「かつ万」
東京都墨田区亀沢1-23-2
TEL.(03)3622-1010

江戸蕎麦「ほそ川」
東京都墨田区亀沢1-6-5
TEL. (03)3626-1125

鰻「千代福」
東京都墨田区緑1-18-1
TEL.(03)3631-4206

4 comments to “東京下町紀行〜両国の巻〜”
  1. >おがちゃん
    ええ、その通りです。
    粥の持つポテンシャルははかり知れません。
    結局休んだのは三時間ほどでした…。

  2. 遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
    今年もどうぞよろしくお願いします。
    現在では七草粥は正月のご馳走で疲れた胃を休める為の食、
    と言われてますが、清少納言女史は枕草子の中で
    「正月料理の一種で豪勢な食」と書いていた筈です。
    いずれにせよ、呼び水だったのですね<お粥

  3. >おきらくきれこさん
    おめでとうございます。
    こちらこそよろしくお願いします。
    豪勢な食なのですか、ほぉ。
    肉食化してしまった我が身に厳しいお言葉です(笑)
    これからは宴会前にお粥を食べようと誓った冬の朝でした。
    割り勘負けしないように。

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