去年の話など「日本料理 しげ松」

年末年始の進行を昨日一気に書いてしまったので、もはや私には何もネタが残っていません。定休日前の寿司店のネタケースのような状態です。そこで、去年のクリスマスイブの話でお茶を濁してみようかと思います。寿司店でいえば、冷凍エビを解凍するようなものですか。
昨年の焼肉の日に入籍ということでお祝いに会席料理のお店へとご招待頂きました。ありがたい。さすが御料人様のお知り合いは豪傑です。で、行ったお店は日本料理の「しげ松」さん。うん、初めてです、きっと自力では行けないお店。
お席の方は白木のカウンター席。目の前で料理の出来上がる様子を拝見。ステキ。しかも、非常に広い奥行きのあるカウンターは広々。ああ、もう、これだけで気持ちいいのです。広いの大好き。
で、まずは「タラの白子のしんじょ」から。ねっとりと旨い白子の風味。旨い。もうね、この日は結構な寒さ(前日は大雪)でしたから熱燗で頂いちゃいます。日本酒旨い。会席には日本酒熱燗堪らんです。
味の方は、本当に関西の和食。生まれついての舌が欲するお味。旨い旨い。特にこの日は朝昼たいして喰ってなかったので、堪らなく旨く感じます。って、本当に旨いのですが。ええ、続いての先付けも。
白和え、アン肝の煮こごり、サーモンと酢漬けの蕪、子持ち昆布など。もうね、綺麗。やはり見た目の美しさは会席料理ならではですねぇ。といいながら、もう一本熱燗で。酒が揮発してるんじゃないかと思うほどの勢いで無くなるのです。
で、吸い物は牡蛎のしんじょ。牡蛎ですよ牡蛎。あたしゃ牡蛎があれば何も要らない、というほどの牡蛎好き。嘘ですが。他も喰いますが。でもそんな気分にさせてくれる、見事な一品。
牡蛎そのものも当然旨いのですが、こういう一つ手が入った料理ってのも堪らんです。旨い。この辺りですっかりと体も温まってきましたので冷酒に切り替え。そして、次の皿は刺身へと移ります。
もうね、富山の魚も旨かったですが瀬戸内も負けてませんよ。寒鰤にイカ、赤貝と鯛。見事なお造り。鯛は明石鯛、鰤は氷見ですか、って、富山の鰤ですか。いや、旨いからどこでもいいです。旨い旨い。それ以外の言葉が見つからない。
すっかりとくつろぎながら、ご主人のお話など聞きつつの冷酒は実に旨い。やはり、カウンターで喰うのもいいですねぇ。というところに続いての品は「ふぐの煮こごり」だそうで。え〜ふぐ?
いやいや、ふぐが煮こごるとは参りました。こりゃあ実に旨くて綺麗で素敵なこと。ちょいと摘んで冷酒で流せば、得も言われぬ快感。冬に冷酒で煮こごりという贅沢。ああ、日本の冬も捨てたもんじゃないですねぇ、と。
さてさて、まだまだ続きます。次は焼き魚「銀だら」です。これがまた、見事な旨さなのです。こうね、あっさりと脂がのっている?って感じですか。うまく表現できないのですが、微かな味噌の風味が呑み欲をそそるのです。
あ〜上品だわ。こういうクリスマスイブってのもいいですね。素晴らしく旨い魚と聖夜。え〜と合っているのかどうかは分かりませんが、素敵なクリスマスプレゼントです。ありがとう、どこかの空の下のサンタさん。
先付け→吸い物→造り→焼きもの、と来れば揚げ物。海老芋と獅子唐。これの天つゆがまた素敵。天つゆだけで一杯呑めそうな、そんな一品になっちゃってます。そういえば、幼少のみぎりより天つゆが大好きだったのです。
これはきっと、玉子焼(明石焼)の影響でしょうか?つゆにつけて食べるのが大好き。しかも、この海老芋。すんげー旨いの。ねっとりとした、特有の歯触り舌触りが濃厚に里芋感を味合わせてくれるのです。旨い。
こういう、本当にしっかりとした里芋は、雑味もなくしっかりとした旨味なのです。とまぁ、比較的素朴な旨さの後には。あなた。蒸し物として「香箱蟹」さんがいらっしゃいました。こんにちは!蟹さん。
海老は得意じゃないけれど、蟹は大好きなこの私。いやっほーーい。というか、こんなにきっちりとした仕事のしてある蟹って初めて喰った、うん。ほら、蟹の足って筋っていうか、ナンコツみたいなのがあるでしょ?あれもきっちりと取り除いて、正に蟹の身なのです。旨い。これは旨い。
いやぁ、もう、本当に、ひたすら感心しますね。さすがに高い値段だけのことはあります。ってか、納得のいくいい仕事ですよね。素晴らしい。感動です。って、高揚する心持ちに対して、最終兵器。炊き込みご飯。うわぁ!
何となく、会席料理ってのは量が少なくて物足りないもの、という先入観があった訳ですが、ものの見事に精神崩壊。ご飯がね、釜でまるまま一つが二人前。喰いきれない。絶対に無理。でも喰う。腹はち切れんばかりに喰い続ける。
まぁ旨いんですよ、これが。相当な品数と量を食べて、最後の〆の飯なのですが、止まらない。何といっても香の物が堪らん訳です。この柴漬け、旨ー!青菜、旨ー!白菜、旨ー!なのですよ。うは〜。
そういえば、ここしばらく旨い漬け物ってのに遭遇していませんでした。というか、飯ものもここまで堪能したことがなかったかも。うん、ひたすら旨い。これこそ日本に生まれた幸せを噛み締める瞬間です。
まぁ、ハッキリ言って、茶碗で軽くよそって4〜5杯は喰いました。釜の半分くらいは軽く喰いました。本当は全部喰いきりたかったのですが、それはさすがに壊れた満腹中枢を知られてしまうので止めておきました…。で、最後にフルーツもいただきまして本当の〆なのです。
焼肉、焼肉と年末年始大暴走していましたが、実はその前にこういう「日本の美味」を味わえたからこそのステップ・ジャンプだったのかも知れません。このお店、その内自力で来られるようにと、年末に誓う私たち夫婦だったのでした。ご馳走様でした。

うん、高いです。私には恐ろしくお高いお店でした。
でも、信じられないほど居心地のいいお店でした。

今回のお店: 日本料理「しげ松」
兵庫県神戸市中央区中山手通1-26-1バッカスビル3階
TEL.(078)272-0055

2 comments to “去年の話など「日本料理 しげ松」”
  1. どっちという究極に非常に弱いです。
    一生それしか食べられないといわれれば…。
    あ、やはり焼肉です(笑)

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