第一回・天国に一番近い沖縄の旅 二日目

さて、那覇二日目の土曜の朝。仕事の方からは完全に解放されているので基本的に遊び歩くことにいたしましょう。結構呑んだ翌朝ですが思いのほか酒が残っていないのは泡盛の水割りを薄く作った賜物です。やはり宿酔の原因は脱水状態なんだと実感。



というのはさておき。早速お出かけしましょうと準備スタート。腹が減っては戦は云々ということでホテル一階の朝食ビュッフェへと馳せ参じ奉り。鳥炊き込みご飯おにぎり、スクランブルエッグ、ソーセージ、サラダ、スープ(鶏団子&餅)、沖縄そば、コーヒー、シークアーサージュースとまぁそれなりにしっかりと頂きましょう。

このホテルのビュッフェってなかなか旨いのです。特に沖縄そばが適当に見えてそれっぽい。コーレーグースー(泡盛に島唐辛子を漬け込んだ調味料)を勢いかけすぎて辛くなったのはご愛敬。腹も膨れて所で出発です。

せっかくの南の島ですから綺麗な海が見てみたい。国際通りからどんどんと北上して市民ビーチへと向かいます。が、なんとバイパス工事のためにビーチが無くなっているじゃあありませんか。いやー、これは残念。とはいえ、工事中の海ですら須磨海岸より美しいという、もはや嫉妬混じりに溜息をついてとっとと退散いたしましょう。

ここからぐるりと町中探訪。基本的に10km四方は徒歩圏内。細い路地やら工場の敷地なんかを縦横無尽に見て回ります。お土産とは関係のない普通の酒販店や、明らかに地元の人しか利用してなさそうな食事処など、まぁ見所満載ではありませんか。楽しいなぁ。観光地へと点から点へと移動するのも効率よくて良いですが、しらみつぶしに歩き回るのもまた違った楽しみがあるのです。

ということでほぼ半日歩き回って収穫といえば【オリオンビール全種コンプリート】でしょうか。他にも八重山ミンサーの帯を買って頂いたり、御料人様の当地での着替えを買い込んだりと町歩きを堪能させて頂きました。

さて、では昼食を頂きましょうか。御料人様がさくっと調べたところ、新進気鋭の沖縄そばのお店があるとか。では行ってみましょうか。「沖縄そば専門凸凹(でこぼこ)」です。こちらのお店は農連中央市場のすぐ近所。鳥頭の人から面白いからいってみるといい、と教えられていたのですが、全くの偶然で辿り着いてしまいました。ちなみに土曜日のお昼だったのでほとんど店は開いてませんが。

では頂きましょう。まずは私。【なんこつソーキそば】をジューシーセットで。ジューシーは炊き込み御飯。そんなにたくさんは要らないので御料人様と二人で分け合って。一杯のジューシー。このそばなんですが、もうね、ナンコツがとろんとろん。おもわず笑みがこぼれる程にとろんとろん。そばは太麺で食べ応えがありますね。細麺好きですがこの太麺は嫌いじゃありません。

太くても大味ではないのでわしわしと頂けるのですね。そして御料人様は【三枚肉そば】を。こちらは丼からはみ出す勢いの三枚肉が三枚。まさに三枚肉。こちらもほろりと口の中でとろける煮込み具合が幸せへと導いてくれます。この肉だけでオリオンビールの大瓶が呑めますね。見た目以上にしっかりと味付けされているので食べながら飽きが来ることはありません。

今回は土曜日でしかも時間を少し外していたのでほぼ貸切状態でした。ゆったりと食事が出来ましたので大満足で御馳走様でした。ラーメン苦手と公言してはばからないのですが、この沖縄そばはいくらでも食えますね。これもまた人類の神秘というヤツでしょうか、それともたまたま私の体に合っているだけなのでしょうか?。そのうち解明せねばなりませんね。

ここからは午前中とは違って国際通りを挟んで南側の町中を探索しましょう。こちら側には観光出来る場所が結構ありますね。牧志公設市場や壺屋焼物博物館など覗いてまわるだけでも十分に楽しめます。市場でさとうきびのジュースを買ってみたり、土産物を見て回ったりであっという間に夕方になってしまいました。

それでは夜の帳が降りる頃を見計らって、次なる目的地へと向かいましょうか。いったんホテルに帰って買い物した荷物を放り込み、いよいよ二日目の夜が始まるのです。まずは昨夜行く予定だった、安里方面へと。ここはいい店だからといわれたので直行。うん、閉まってるね。この時19:00少し前。開店は21:30だとか。なんといい加減な開店時間、ここはキテンか。

すっかりと途方にれてしまう我ら二人。そんな訳でその時間まで待たねばなりません。ぼけっと立っているには長すぎるので近所のお店を探してみましょう。

見つけました。いつものことですが、第一印象で決定。「やぎ料理 まるまん」です。皆さんから沖縄といえばヤギ料理、といわれてましたから。そして焼肉の人としては牛・豚・鶏だけでなく野趣あふるる山羊ってのも、ね。コンバンワ、と扉を開けばそこは昭和の空間。まだ開店したばかりで準備中のおかあさんから「座敷の方にどうぞー」と通されました。

いやなにこれ、素敵。壁に貼られたサインやポスター。そしてメニューのシンプルさ。この空間がまるまる私達に安らぎを与えてくれます。取り敢えず時間潰しのつもりでしたがこれは落ち着く。では早速【オリオンビール】で乾杯。何から食べようかしらと、まぁ既に決まってますけどね。【やぎ刺身】をお願いします。やっぱり生肉からでしょう。

やって来たのはもう見たまんま生肉。腿とロースと、そして謎の肉。「数がないし、入る時と入らない時があるのよ」といわれてしまいました。うん、これ牛と豚なら見たことがあります。そして私も二つばかり持ち合わせております。取り敢えず頂いてみましょうか。この手の部位(下方面)はクセがありますからね。と思ったらあっさりとねっとりと。

は、はーこれは旨い。敢えていえば豚の方に近いです。淡泊で思ったようなクセもない実に美味しいキ○タマですね。あ、つい言っちゃった。赤身の方は言うまでもなく淡泊な馬刺のような旨味。これはいいじゃあないですか。勢いついたところで【やぎ肉のソーセージ】も頂いてしまいましょう。ちなみに、先ほどがタマでしたがこれは関係ないですから(下ネタ)。

このソーセージが実に旨い。なんだろう、粗挽きのイタリアっぽいソーセージといえば近いんでしょうか。ちょっとナンコツっぽい口当たりも酒がすすんで仕方がないじゃあないですか。「お漬物たべる?」と聞かれれば、ハイ頂きますと元気に答えるよい子二人。そしてその勢いで泡盛も頂いてしまいました。一気に飲むと危ないので一合を。

そう、沖縄では泡盛は水割りなんですよね。当然ロックで呑んでもいいんですが、圧倒的に水割り。最近は泡盛を呑みすぎると大変なことになるのでこの水割りとかなり薄く作って愉しんでいます。「卵焼き食べる?」、はい是非お願いします。またしてもいいお返事が出来ました。【ヨモギの卵とじ】を。へぇ沖縄ではもう(一月)ヨモギが採れるんですね。

これはケチャップをぐるりとかけて頂ける。残念ながらケチャップで名前を書いて頂けるサービスはありませんでしたが。これがまたほろ苦くて泡盛と相性がいいですね。もうすっかりと腰を落ち着けてしまいました。実はやぎ汁の美味しい店、ということで紹介して頂いたところがあったので、あえて食べていなかったのですが、ここまで腰を下ろしてしまっては仕方がない。

【やぎのおつゆ】をお願いします。「うちのは生で新鮮だし全部入っているおつゆだからおいしいよ」と言われて出てきたのはラーメンどんぶりになみなみと注がれたやぎ汁。よし、頂こう。やぎ汁はクセが強いからとは訊いていたので心を奮い立たせて。まずは一口。うん、たしかにクセは強いです。匂いもきつい。多分脂ですね。これがかなり効いている。

しかし食べすすめているとどんどんと体が馴染んでくる感じ。以前、ハワイで呑んだカヴァと同じです。御料人様も食べてみましたが決して受け付けない味ではない。敢えていいます。旨いです。ただし量が多い。喰っても喰っても中身と赤身が無くならない。しかし出されたものは完食するのが(昔の)男の子です。綺麗さっぱりと完食いたしました。

いやー大満足。これでやぎ汁も制覇しました。とそこへ新しいお客様が。実に上品なご婦人。どうやら常連さんのようですね。何となく会話に入らせて頂いて、あれ?どこかで見たような。あ、壁に貼ってあるポスターの。歌手の平ゆきさんでした。この方、お店のおかあさんと同郷とか。「このお店のやぎ汁を食べれたらどこでも大丈夫」のお墨付きを頂いてしまいました。

あれ?おかあさんは「うちのはクセがないから」という話だったのに。このあと残った泡盛を平らげてそろそろ次のお店へと向かうことに。平さんとおかあさんにご挨拶して御馳走様でした。さぁ次なる店へと出発いたしましょう。そう、さきほど開店前だったお店へと再挑戦なのです。しかし和えなく玉砕。完璧なまでの満席でした。

さてどうしましょうか。この辺りを色々と歩き回ってみましたが、特に心惹かれなかったので一旦国際通りの方へと戻ってみましょうか。モノレールに乗るほどでもないので一駅ブラブラと歩いていると、ふと目に入ったのが「カナディアンパブ イーガー・ビーバー」というお店。ちょいと覗いてみたらお客さんは外人さんばかり。ちょっとだけ入ってみましょうか。

なかなか雰囲気のある素敵なパブじゃあないですか。カウンターは常連さんのような方で一杯だったのでテーブル席へ。メニューを頂いて、さてどうしましょうか。「本日は全て500円になってます」とのこと。へぇ、イベントか何かだったみたいですねぇ。カウンターへと戻ったお姉さんがオードブルを盛ってきてくださいました。

なんと、この日はこのお店のオープニングパーティだとか。ええ!開店初日に紛れ込んでしまいましたか。相変わらず行き当たりばったりでイベント盛り沢山な旅ですねぇ。せっかくなのでカナディアンビールを頂いて乾杯。その後もどんどんとやって来るお客さんたち。なんだか楽しくなってしまうじゃないですか。ついついとビールがすすんでしまいました。

すっかりとご機嫌で呑んだところでそろそろお暇しましょうか。どうも御馳走様でした。なかなか居心地のいいお店なので次回機会がありましたら通常営業の時に来たいと思います。ということで本日はここまで。お店にはあまり入っていませんが、町歩きですっかりと那覇を満喫の一日が終わりました。どうもお疲れ様でした。

さぁ、最終日はどんな冒険が待っている事やら。
冒険と暴食は紙一重な気もしております。

今回のお店:
沖縄そば専門店『凸凹』
沖縄県那覇市樋川2-12-7
TEL.(090)8628-8461

やぎ料理 まるまん
沖縄県那覇市字大道171
TEL.(098)885-6570

カナディアンパブ イーガー・ビーバー EAGER BEAVER
沖縄県那覇市牧志3-19-20
TEL.(098)988-3838

One comment to “第一回・天国に一番近い沖縄の旅 二日目”
  1. 初めての札幌旅行・初日後半「しら菊、闇市、コピティアム」

    さて、到着早々のお昼からフルスロットルでスタートしました札幌の旅。思いっきり寿司を喰ってしまったのでこれから先、どこに行こうか迷ってしまいます。うーん、よ…

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